オプジーボ+ヤーボイ併用療法、未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫に対する効能・効果でFDAが承認

2020/11/17

文:がん+編集部

 ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)併用療法が、未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫に対する効能・効果で米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。

CheckMate-743試験の中間解析の結果、オプジーボ+ヤーボイ併用療法は化学療法に比べ死亡リスクを26%低減

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は10月2日、ニボルマブ+イピリムマブの併用療法が、切除不能な悪性胸膜中皮腫の成人患者の一次治療薬として、FDAから承認されたことを発表しました。今回の承認は、第3相CheckMate-743試験の中間解析の結果に基づくものです。

 CheckMate-743試験は、切除不能な悪性胸膜中皮腫で、全身療法の治療歴がない、または投与開始前14日以内に緩和的放射線療法の治療歴がない患者さん605人を対象に、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法、または化学療法(ペメトレキセド+シスプラチンまたはカルボプラチン併用療法)を投与、比較した臨床試験です。

 あらかじめ計画されていた中間解析の結果、全生存期間(中央値)は、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法18.1か月、化学療法14.1か月で死亡リスクが26%低減しました。また、2年時点での生存率は、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法41%、化学療法27%でした。

 米テキサス大学 MD アンダーソンがんセンターの胸部腫瘍内科の教授兼セクションチーフおよび中皮腫プログラムの部長で治験担当医師であるAnne S. Taso医師は、次のように述べています。

 「悪性胸膜中皮腫は、治療選択肢の限られた希少がん腫です。進行ステージで診断された場合、5年生存率は約10%です。CheckMate-743試験の生存に関する結果は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法群が新しい最前線の標準治療の選択肢になる可能性を示しています。これはエキサイティングなニュースであり、この深刻な疾患を抱える患者さんおよび患者さんをケアする医療従事者の方々に希望をもたらすものです」