オプジーボ+ヤーボイ併用療法、高リスク悪性黒色腫に対する臨床試験の最新データを発表

2020/11/18

文:がん+編集部

 切除後の高リスク悪性黒色腫患者さんを対象に、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)併用療法をニボルマブ単独療法と比較した臨床試験の最新データが発表されました。

オプジーボ+ヤーボイ併用療法、オプジーボ単独と比べ無再発生存期間を延長せず

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は10月2日、根治切除後のステージ3B/C/Dまたはステージ4の悪性黒色腫患者さんを対象に、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法をオプジーボ単独と比較評価した第3相CheckMate-915試験の最新結果を発表しました。

 CheckMate-915試験は、悪性黒色腫病変の外科的切除および中枢神経系病変の脳神経外科的切除後の補助放射線療法を除き、悪性黒色腫に対する全身化学療法を受けていない患者さん1,943人が対象です。ニボルマブ240mgを2週間間隔、イピリムマブ1mg/kgを6週間間隔で投与するグループと、ニボルマブ480mgを4週間間隔で投与するグループに分け、最長1年間にわたり投与が継続されました。

 同社は2019年に、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法を受けた、PD-L1発現レベルが1%未満の患者さんにおいて、無再発生存期間の統計学的に有意な延長を認めなかったことを発表しています。

 今回、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法を受けた、全患者さんにおける無再発生存期間で統計学的に有意な延長を示さなかったことが発表されました。このことから、術後補助療法としてニボルマブ単独療法は、標準治療として確立された有効性が確認できたことになります。安全性に関しても、これまでに認められている安全性プロファイルと一致していました。

 同社の腫瘍領域臨床開発責任者兼バイスプレジデントであるSabine Maier医師は、次のように述べています。

 「私たちは、悪性黒色腫におけるオプジーボおよびヤーボイの両製剤の実績を誇りに思います。オプジーボとヤーボイは、それぞれ適格な悪性黒色腫患者さんに対する術後補助療法での単剤療法として、また転移性悪性黒色腫での免疫療法薬2 剤の併用療法として、顕著なベネフィットをもたらしています。CheckMate-915試験では、オプジーボにヤーボイを併用し、現在、術後補助療法の標準治療薬として確立されているオプジーボを実対照薬として比較評価しました。本試験は、免疫療法薬2剤の併用療法が術後補助療法で患者さんにさらなるベネフィットをもたらす可能性を判断するため、本試験で達成する必要のある高いベンチマークを理解した上で計画されました。今後も、高リスク悪性黒色腫患者さんの早期ステージの治療におけるオプジーボとの併用療法でのヤーボイの持つ潜在的な可能性をより理解するため、また、さまざまな設定で新たな併用療法を検討するため、悪性黒色腫の研究に注力してまいります」