グアデシタビン、再発・難治性の急性骨髄性白血病/骨髄異形症候群に対する臨床試験で、全生存期間の延長を示さず
2020/11/30
文:がん+編集部
再発・難治性の急性骨髄性白血病と骨髄異形症候群を対象に、グアデシタビン(開発コード:SGI-110)と既存治療を比較した2つの臨床試験の結果、いずれの試験でも全生存期間の統計学的な有意差は認められませんでした。
副次的評価項目や安全性に関する解析は継続し、今後の開発方針は検討
大塚製薬は10月15日、グアデシタビンを評価した2つの臨床試験の結果を発表しました。
1つは、強力な化学療法の前治療歴がある再発または難治性の成人急性骨髄性白血病患者さんを対象とした第3相ASTRAL-2試験です。もう1つは、同様の前治療歴がある難治性の成人慢性骨髄単球性白血病を含む骨髄異形症候群の患者さんを対象とした第3相ASTRAL-3試験です。
2つの試験はどちらも、グアデシタビンを投与された患者さんと既存薬による治療を受けた患者さんを比較して、有効性と安全性で評価されました。その結果、両試験において主要評価項目の全生存期間の統計学的な有意差は認められませんでした。無増悪生存期間ほか副次的評価項目と安全性に関する評価は、現在解析中です。
同社は、今回の発表に際し次のように述べています。
「試験結果の詳細については、国際学会等で今後発表予定です。大塚製薬とアステックス社では、試験結果についてさらなる解析をすすめるとともに今後の方向性を検討いたします」
グアデシタビンは、次世代の低分子DNAメチル化阻害薬です。注射剤のデシタビンに比べ、デシタビンを体内で長く作用させ、骨髄などの組織に効率的に到達するように作られた薬です。