オプジーボ、切除不能な進行・再発・転移性食道がんの二次治療薬としてCHMPが推奨

2020/12/02

文:がん+編集部

 ニボルマブ(製品名:オプジーボ)に対し、切除不能な進行・再発または転移性の食道がんの二次治療薬として、欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)が肯定的な見解を示しました。

オプジーボ、化学療法に対しPD-L1発現にかかわらず生存ベネフィットを示し、生活の質も改善

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は10月16日、フルオロピリミジン系薬剤とプラチナ系薬剤の併用化学療法の治療歴がある切除不能な進行、再発または転移性食道扁平上皮がん治療薬として、ニボルマブの承認をCHMPが推奨したことを発表しました。今回の肯定的見解は、ATTRACTION-3試験の結果に基づくものです。

 ATTRACTION-3試験は、一次治療としてフルオロピリミジン系薬剤とプラチナ系薬剤の併用療法を行い、不応または不耐だった食道がん患者さんを対象に、ニボルマブと化学療法(ドセタキセルまたはパクリタキセル)を比較した第3相臨床試験です。主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目は奏効率、無増悪生存期間、病勢コントロール率、奏効期間および安全性でした。試験の結果、PD-L1発現レベルにかかわらずニボルマブの生存ベネフィットが認められ、生活の質の改善も示されました。

 主な試験の結果は、以下の通りです。

12か月生存率
ニボルマブ:47%
化学療法:34%
18か月生存率
ニボルマブ:31%
化学療法:21%
全治療関連有害事象発現率
ニボルマブ:66%
化学療法:95%
グレード3~4治療関連有害事象発現率
ニボルマブ:18%
化学療法:63%

 同社の消化器がん領域開発責任者であるIan M. Waxman医師は、次のように述べています。

 「CHMPの肯定的見解は、臨床的に意義のある生存期間および良好な安全性プロファイルを示したATTRACTION-3試験と共に、EUの食道扁平上皮がん治療におけるオプジーボの可能性を示唆するものです。EUにおいて、免疫療法薬が上部消化管がんで初めて承認されることになり、ECの最終決定に期待を寄せています。今後も、食道がんのより初期のステージにおけるオプジーボのベネフィットの探索に注力してまいります」