レンビマ、免疫チェックポイント阻害薬の効果がなくなった肝細胞がんに対する二次治療としての有効性実証

文:がん+編集部

 免疫チェックポイント阻害薬の治療効果がなくなった切除不能な肝細胞がんの患者さんに対する二次治療として、レンバチニブ(製品名:レンビマ)が有効であることが臨床試験で実証されました。

免疫チェックポイント阻害薬の投与終了直後のレンビマ投与で全生存期間を約2倍に延長

 近畿大学は10月20日、切除不能の肝細胞がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果がなくなった後の二次治療として、分子標的薬レンバチニブが有効であることを実証したと発表しました。同大医学部内科学教室(消化器内科部門)の工藤正俊主任教授らの研究チームによるものです。

 研究チームは、免疫チェックポイント阻害薬に不応となった肝細胞がん患者さん36人を対象に、二次治療としてレンバチニブを投与する臨床試験を行いました。免疫チェックポイント阻害薬の投与期間の中央値は3.7か月で、多くの患者さんで免疫チェックポイント阻害薬の効果がなくなり中止されました。

 免疫チェックポイント阻害薬の治療後、レンバチニブを投与した結果、無増悪無再発期間の中央値が10.03か月、レンバチニブによる治療開始からの全生存期間の中央値が15.8か月、免疫チェックポイント阻害薬による治療開始からの全生存期間の中央値は29.8か月でした。奏効率が55.6%(完全奏効率2.8%、部分奏効52.8%、病勢安定30.6%、病勢進行11.1%)、病勢コントロール率が86.1%でした。

 83.3%の患者さんで、レンバチニブ投与開始後4週目までの腫瘍の縮小が認められ、26人中4人の患者さんでは、再増大することなく効果が維持されました。

 今回の結果、レンバチニブ単独療法や免疫チェックポイント阻害薬に比べ、免疫チェックポイント阻害薬後の二次治療としてレンバチニブを投与することで、全生存期間を約2倍に延長したことになります。

 研究チームは、今回の治療法のポイントとして次のように述べています。

 「本研究は、二次治療以降のレンバチニブの成績ですが、免疫チェックポイント阻害剤が体内に残って免疫細胞に結合している期間に同薬を投与した点が独創的なポイントです。単純に比較することはできませんが、現在、臨床試験が進行中の免疫チェックポイント阻害薬と分子標的薬の併用療法に劣らない治療成績が示されたことは、極めて重要な結果といえます。免疫チェックポイント阻害剤不応後の二次治療としてレンバチニブの高い有効性を示した本研究結果は、今後の肝細胞がん治療に大きなインパクトを与えると考えています」