オプジーボ+ヤーボイ+化学療法の併用療法、進行非小細胞肺がんの一次治療法として欧州で承認

2020/12/16

文:がん+編集部

 進行非小細胞肺がんの一次治療法として、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)+化学療法(2サイクル)の併用療法が、欧州で承認されました。

CheckMate-9LA試験では、オプジーボ+ヤーボイ+化学療法併用療法は化学療法に比べ死亡リスクを31%低減

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は11月6日、EGFR遺伝子変異とALK遺伝子転座が陰性の進行非小細胞肺がんに対する一次治療法として、ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法(2サイクル)併用療法が、欧州連合に承認されたことを発表しました。今回の承認は、CheckMate-9LA試験の結果に基づくものです。

 CheckMate-9LA試験は、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、進行非小細胞肺がん患者さん719人を対象に、ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法併用療法と化学療法(最大4サイクル後に、適格であればペメトレキセドによる維持療法を任意で施行)を比較した第3相臨床試験です。主要評価項目は全患者さんに対する全生存期間、副次的評価項目は無増悪生存期間と奏効率でした。

 最短8.1か月の追跡調査の中間解析では、ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法併用療法は、化学療法に比べて、死亡リスクが31%低減。また、病勢進行または死亡リスクは30%低減、奏効率も有意に高いという結果でした。最短12.7か月の追跡調査でも、ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法併用療法は、化学療法に比べて全生存期間の持続的な改善を示しました。

 安全性に関しては、グレード3~4の治療に関連する有害事象は、患者さんの47%で認められ、最も頻繁に報告された有害事象は、疲労(36%)、悪心(26%)、発疹(25%)、下痢(20%)、そう痒症(18%)、食欲減退(16%)、甲状腺機能低下症(15%)および嘔吐(13%)でした。

 CheckMate-9LA試験の治験担当医師で、ドイツ肺疾患研究センターグロスハンスドルフ肺クリニックのMartin Reck医学博士は、次のように述べています。

 「進行非小細胞肺がんのように複雑な疾患では、多様なニーズと困難を抱える患者さんのために、さまざまな治療選択肢があることが極めて重要です。CheckMate-9LA 試験では、化学療法2サイクルを追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法により、PD-L1発現レベルや腫瘍の組織型にかかわらず、非小細胞肺がん患者さん全体で、臨床的に意義のある全生存期間のベネフィットが一貫して示されました。本日の承認により、EUの臨床医は、早期の疾患管理と生存期間の延長を可能にし得る新たな治療選択肢を患者さんに提供できるようになります」