次世代型BTK阻害薬カルケンス、慢性リンパ性白血病の治療薬として欧州で承認

文:がん+編集部

 次世代型BTK阻害薬アカラブルチニブ(製品名:カルケンス)が、慢性リンパ性白血病の治療薬として欧州で承認されました。日本ではまだ未承認です。

アカラブルチニブ、ELEVATE-TN試験/ASEND試験で有効性を示す

 アストラゼネカは11月9日、次世代型BTK阻害薬アカラブルチニブが、欧州では成人白血病の中で最も患者数の多い慢性リンパ性白血病の治療薬として、欧州委員会に承認されたことを発表しました。今回の承認は、ELEVATE-TN試験とASEND試験の結果に基づくものです。

 ELEVATE-TN試験は、未治療の慢性リンパ性白血病患者さん535人を対象に、アカラブルチニブ+オビヌツズマブ(製品名:ガザイバ)併用療法、またはアカラブルチニブ単剤療法を、化学療法(クロラムブシル+オビヌツズマブ)を比較した第3相試験です。対象患者さんは、65歳以上または18歳以上65歳未満で併存疾患指数が6を超えているか、またはクレアチニンクリアランスが30ml/分以上70ml/分未満の患者さんです。主要評価項目は、化学療法とアカラブルチニブ+オビヌツズマブ併用療法を比較した無増悪生存期間、主な副次的評価項目は、化学療法と比較したアカラブルチニブ単剤療法の無増悪生存期間でした。

 中間解析の結果、アカラブルチニブ+オビヌツズマブ併用療法は化学療法に対し、病勢進行または死亡リスクを90%低下。アカラブルチニブ単剤療法も化学療法に対し、病勢進行または死亡リスクを80%低下させました。

 また、ASEND試験は、再発または難治性の慢性リンパ性白血病患者さん310人を対象に、アカラブルチニブ単剤療法と、リツキシマブ(製品名:リツキサン)+イデラリシブ(製品名:ザイデリグ)併用療法、またはリツキシマブ+ベンダムスチン(製品名:トレアキシン)併用療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全奏効率、奏効期間、全生存期間、患者報告アウトカム、次治療までの期間でした。

 中間解析の結果、12か月後の無増悪生存率は、アカラブルチニブ単剤療法88%に対し、対照療法68%で、アカラブルチニブの有効性が認められました。

 ASCEND試験の治験担当医師であり、ミラノのVita-Salute San Raffaele大学および慢性リンパ性白血病のStrategic Research ProgramディレクターであるPaolo Ghia医学博士は次のように述べています。

 「慢性リンパ性白血病の治療における最大の課題の1つは、長期にわたって症状をコントロールできる高い忍容性のある治療選択肢を見つけることであり、このことは合併症を有する高齢の患者さんに大きく影響を与えます。アカラブルチニブは2つの第3相臨床試験において、現在の標準治療と比較して有意な改善を示しており、今回の承認は、欧州の慢性リンパ性白血病患者さんにとって大きな進展になるといえます」