オプジーボ、切除不能な進行・再発または転移性食道がんの二次治療として欧州で承認

2020/12/23

文:がん+編集部

 切除不能な進行・再発または転移性の食道扁平上皮がんの二次治療として、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)が、欧州で承認されました。

ATTRACTION-3試験では、オプジーボは化学療法に対し死亡リスクを23%低下

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は11月24日、標準的な化学療法(フルオロピリミジン系薬剤+プラチナ系薬剤の併用療法)の治療歴がある切除不能な進行・再発または転移性食道扁平上皮がんの成人患者さんの治療薬として、ニボルマブが欧州委員会から承認されたことを発表しました。ATTRACTION-3試験の結果に基づくものです。

 ATTRACTION-3試験は、標準的な化学療法に不応または不耐の食道がん患者さんを対象に、ニボルマブと化学療法(ドセタキセルまたはパクリタキセル)を比較した第3相臨床試験です。主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目は奏効率、無増悪生存期間、病勢コントロール率、奏効期間、安全性でした。

 試験の結果、ニボルマブは化学療法に対し、統計学的有意かつ臨床的に意義のある全生存期間の改善を示し、死亡リスクが23%低下しました。安全性に関しても、これまでに認められている安全性プロファイルと一致していました。

 同社の消化器がん領域開発責任者であるIan M.Waxman医師は、次のように述べています。

 「本日の承認は、欧州連合で初めて、この患者集団で承認された治療選択肢であり、食道扁平上皮がんの患者さんにとって非常に重要なマイルストーンとなりました。私たちは、上部消化管がん患者さんの治療選択肢に進展をもたらせることを誇りに感じています。今後、ベネフィットを得られる可能性のあるより多くの適格患者さんにオプジーボをお届けできるよう、欧州のステークホルダーの皆様と共に取り組んでまいります」

 ATTRACTION-3試験の有効性と安全性の解析結果は、以下の通りです。

全生存期間
ニボルマブ:10.9か月
化学療法:8.4か月
12か月生存率
ニボルマブ:47%
化学療法:34%
18か月生存率
ニボルマブ:31%
化学療法:21%
奏効率
ニボルマブ:19%
化学療法:22%
奏効期間
ニボルマブ:6.9か月
化学療法:3.9か月
治療関連有害事象率(グレードを問わない)
ニボルマブ:66%
化学療法:95%
治療関連有害事象(グレード3~4)
ニボルマブ:18%
化学療法:63%
治療関連有害事象(投薬中止)
ニボルマブ:9%
化学療法:9%