キイトルーダ+化学療法、根治切除不能な進行・再発の食道がんに対する一次治療として国内申請
2021/01/05
文:がん+編集部
ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法併用療法が、根治切除不能な進行・再発の食道がんに対する一次治療として国内申請されました。
キイトルーダ+化学療法、化学療法単独に対し死亡リスクを27%低減
MSDは11月30日、ペムブロリズマブ+化学療法(シスプラチン+5-FU)併用療法を、根治切除不能な進行・再発の食道がんに対する一次治療として、製造販売承認事項一部変更の承認申請を行ったことを発表しました。今回の申請は、KEYNOTE-590試験の結果に基づくものです。
KEYNOTE-590試験は、局所進行または転移性食道がんおよび食道胃接合部がんの一次治療として、「ペムブロリズマブ+化学療法」と「プラセボ+化学療法」(化学療法単独)を比較した第3相臨床試験です。主要評価項目は、PD-L1を発現(CPS※≧10)している食道扁平上皮がん患者さんの全生存期間、食道扁平上皮がん患者さん、CPS≧10の患者さん、全患者さんそれぞれにおける全生存期間と無増悪生存期間でした。副次的評価項目は、全患者さんの奏効率、奏効期間、安全性などでした。
全患者さんに対する解析の結果、「ペムブロリズマブ+化学療法」は化学療法単独と比べ、全生存期間を有意に延長し、死亡リスクを27%低減。無増悪生存期間も有意に延長し、病勢進行または死亡リスクを35%低減しました。
ペムブロリズマブは、2017年2月15日に国内で販売を開始し、8つの効能・効果で国内承認されています。今回の承認申請が受理されると9つ目の承認です。また、前立腺がん、胃がん、肝細胞がん、小細胞肺がん、子宮頸がん、進行固形がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中です。
同社は今回の申請に際し、次のように述べています。
「MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、革新的な医薬品の開発を進め、承認取得に向けて取り組んでいきます」
※CPS(combined positive score): PD-L1陽性細胞数を総腫瘍細胞数で割り、100を掛けた数値