進行性子宮内膜がんに対し「レンビマ+キイトルーダ」併用療法を評価した第3相試験の解析結果を初めて発表
2021/01/12
文:がん+編集部
「レンバチニブ(製品名:レンビマ)+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)」併用療法が、全身治療歴のある進行性の子宮内膜がんを対象とした臨床試験で、化学療法に対し統計学的有意な全生存期間、無増悪生存期間、奏効率を改善しました。
「レンビマ+キイトルーダ」併用療法、化学療法に対し全生存期間・無増悪生存期間・奏効率を有意に改善
エーザイと米メルク社は2020年12月16日、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法が、プラチナ製剤による前治療歴のある進行性子宮内膜がんを対象とした第3相「309試験/KEYNOTE-775試験」の結果を発表しました。
309試験/KEYNOTE-775試験は、少なくとも1レジメンのプラチナ製剤による前治療歴のある進行性子宮内膜がん患者さん827人を対象に、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法と化学療法(ドキソルビシンまたはパクリタキセル)を比較した臨床試験です。全患者さんの内697人は高頻度マイクロサテライト不安定(MSI-H)陰性またはミスマッチ修復機能(pMMR)陽性で、130人がMSI-H陽性またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)陽性の患者さんでした。
試験の結果、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法は、化学療法に対し全生存期間、無増悪生存期間、奏効率を統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。
米メルク社のResearch Laboratories, Oncology Clinical Research のAssociate Vice PresidentであるGregory Lubiniecki博士は、次のように述べています。
「進行性子宮内膜がん患者さんは、高い死亡率と初回全身治療後の治療選択肢が限られる状況に直面しています。本試験結果は、進行性子宮内膜がんにおいて、免疫療法を含む併用療法が化学療法に対して統計学的に有意な全生存期間、無増悪生存期間および奏効率の改善を示した初めてのデータです。Merck & Co, Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とエーザイは、引き続きキイトルーダとレンビマの併用療法の研究開発に注力し、子宮内膜がんのようなアンメットニーズの高い疾患に対する新たな治療法の創出に取り組んでいきます」
また、エーザイの執行役オンコロジービジネスグループ チーフメディスンクリエーションオフィサー兼チーフディスカバリーオフィサーである大和隆志博士は、次のように述べています。
「今回の309試験/KEYNOTE-775試験の結果は我々を勇気づけるものであり、進行性子宮内膜がんの患者様に希望をもたらすとともに、111試験/KEYNOTE-146試験の進行性子宮内膜がんコホートで得られた知見をさらに裏付けるものです。LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)プログラムから創出される臨床データが増えるにつれて、メルク社とのコラボレーションの成果や、本併用療法に期待される患者様ベネフィットに自信を深めています。我々を信頼して、本試験にご協力いただいた患者様と医療従事者の皆様に感謝いたします」