免疫チェックポイント阻害薬の治療予測法の開発に成功

文:がん+編集部

 免疫チェックポイント阻害薬の治療効果の予測を可能にするバイオマーカーが発見されました。

免疫系の主要因子「NLRC5」遺伝子の発現が低いと治療効果も低い

 北海道大学は、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を予測する方法の開発に成功したことを発表しました。同大大学院医学研究院の小林弘一教授らの研究グループと、米国テキサスA&M大学、MDアンダーソンがんセンターの共同研究によるものです。

 免疫チェックポイント阻害薬は、がん治療で画期的な成果をあげつつありますが、効果が認められる患者さんの割合は少ないのが現状です。また、既存のバイオマーカーによる治療予測の能力は十分でなく、治療効果の予測判定ができる技術開発が望まれていました。

 研究グループは以前に、免疫系の主要因子である「NLRC5」遺伝子が欠損しているがん患者さんは免疫系が十分に活性化せず、5年生存率が著しく低下することを突き止めていたことから、NLRC5遺伝子に注目。今回の研究により、免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けた患者さんで、NLRC5遺伝子の発現が低いと治療効果が低いことを明らかにしました。また、既存のバイオマーカーと組み合わせて使用することにより、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果予測だけでなく、5年生存率の予測に役立つこともわかりました。

 研究グループは今後への期待として、次のように述べています。

 「現在、手術適応がない進行がんに対して、治療効果があるかどうか予測できないままに、免疫チェックポイント阻害剤を使うケースがほとんどです。今後は、治療開始時に、予測精度の高いバイオマーカーを測定して、効果の可能性がある場合のみに免疫チェックポイント阻害剤治療を開始するように変わっていくと思われます。今回の研究チームの発見はこの方針変換に役立つと考えられます」