がん10年生存率は約60%、初の大規模調査

文:がん+編集部

 専門的ながん医療を行う全国のがん診療連携拠点病院などから収集した院内がん登録情報による、10年・5年・3年生存率の集計結果が発表されました。

「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」を公開

 国立がん研究センターは4月27日、院内がん登録情報によるがん生存率の集計結果を発表しました。今回発表されたデータは、2007年および2008年にがんと診断された患者さんの10年生存率、2012年および2012年~2013年に診断された患者さんの5年生存率、2014年および2015年に診断された患者さんの3年生存率です。

 10年生存率の調査では、がん以外の死因の影響を除いた生存率が算出されました。対象は、2007年に診断された患者さんは全国181施設の計18万3,463人、2008年に診断された患者さんは全国240施設の計23万7,892人でした。

 集計の結果、全がんの10年生存率は、2007年診断では60.1%、2008年診断では59.4%でした(いずれも相対生存率)。これは、既存の公開されている10年生存率集計としては、最も大規模な調査結果となりました。

 同じ院内がん登録情報をもとにして全国がんセンター協議会が2020年に公表した10年生存率は58.3%でしたが、このときの調査対象は、専門医療機関21施設で2004~2007年にがんと診断された約9万4,000人と、今回の調査と比べ小規模でした。

 また、今回より、従来の「部位別」から「がん種別」に集計され、2008年診断の10年生存率はそれぞれ前立腺がん98.7%、乳がん87.5%、子宮頸がん70.7%、大腸がん67.2%、胃がん66.0%、膀胱がん65.1%、(非小細胞)肺がん34.5%、食道がん33.6%、肝臓がん21.8%などで、早期発見が難しいとされる膵臓がんが最も低い6.5%でした(いずれも相対生存率)。

 今回、5年・3年生存率を簡易に閲覧できるよう「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」が開発され、公開されています。全国のがん診療連携拠点病院などをはじめとするがん診療病院から収集した予後情報付院内がん登録情報を用いて集計した生存率で、がんの種類、性別、病期、年齢、手術の有無といった条件別に検索することができます。