「オプジーボ+ヤーボイ」併用療法、dMMR・MSI-Hの進行大腸がんに対しCHMPが肯定的見解
2021/06/17
文:がん+編集部
ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の進行大腸がんの治療薬として、「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法の承認を推奨する肯定的見解を、欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)が示しました。
「オプジーボ+ヤーボイ」併用療法、CheckMate-142試験で持続的な有効性を示す
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は5月21日、化学療法後のdMMRまたはMSI-Hの進行大腸がんの成人患者さんの治療薬として、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法に対し、CHMPが承認を推奨したことを発表しました。今回の見解は、CheckMate-142試験の結果に基づくものです。
CheckMate-142試験は、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療中または治療後に病勢進行したdMMRまたはMSI-Hの進行大腸がん患者さんを対象とした第2相試験です。同試験は、複数のパートで構成され、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法を評価したパートでは、ニボルマブ3mg/kgとイピリムマブ1mg/kgを3週間間隔で計4回投与し、その後ニボルマブ3mg/kgを単剤療法として2週間間隔で投与しました。投与は、病勢進行、死亡または忍容できない毒性が認められるまで継続されました。有効性評価項目は、奏効率や奏効期間などでした。試験の結果、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法は持続的な有効性を示しました。
「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法は、2020年9月に「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発のMSI-Hを有する結腸・直腸がん」の効能または効果で国内承認されています。
同社の消化器がん領域開発責任者であるIan M. Waxman医師は、次のように述べています。
「ミスマッチ修復機構欠損または高頻度マイクロサテライト不安定性のバイオマーカーを有する進行大腸がんは、治療が困難な場合があります。全般的に進展が見られる領域でありながら、化学療法によるファーストライン治療中または治療後に進行した患者さんは、いまだ大きなアンメットニーズに直面します。CHMPの肯定的な見解は、別々の補完的免疫経路を標的とする論理的な併用療法の進展に向けて、私たちの目標をさらに後押しするものです。今後の欧州委員会(EC)の決定を心待ちにするとともに、この新しい併用療法がEU全土の患者さんにもたらす可能性のあるポジティブな影響に期待しています」