放射性医薬品ルタテラ、神経内分泌腫瘍の治療薬として国内承認

文:がん+編集部

 神経内分泌腫瘍の新たな治療選択となる放射性医薬品ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)(製品名:ルタテラ)が国内承認されました。

ルタテラ、神経内分泌腫瘍に高発現する受容体と結合、放射性物質が放出する放射線でがん細胞を攻撃

 富士フイルム富山化学は6月23日、放射性医薬品ルテチウムオキソドトレオチ(177Lu)が、「ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍」を適応症として製造販売承認を国内で取得したことを発表しました。国内で実施された第1相ならびに第1/2相試験で、日本人患者さんに対する有効性と安全性が確認された結果に基づき、申請されていました。

 ホルモンなどを分泌する神経内分泌細胞ががん化した神経内分泌腫瘍は、全身のさまざまな臓器で発生します。特に、膵臓、消化管、肺に多く発生しますが、治療選択が限られており、新たな治療法の開発が求められていました。海外では、神経内分泌腫瘍に対する治療としてペプチド受容体放射性核種療法が行われています。ペプチド受容体放射性核種療法は、がん細胞に発現する受容体に結合する物質に、「核種」と呼ばれる放射性物質を放出する放射線でがん細胞だけを破壊する局所療法です。

 今回承認されたルテチウムオキソドトレオチ(177Lu)は、神経内分泌腫瘍で高発現しているソマトスタチンに似た物質に放射性同位元素のルテチウム177を結合させた治療用放射性医薬品です。静脈注射したルテチウムオキソドトレオチ(177Lu)が、神経内分泌腫瘍に発現しているソマトスタチン受容体と結合し、放射性物質ルテチウム177から放出される放射線でがん細胞を攻撃します。

 同社は今回の承認に際し、次のように述べています。

 「今後、ルタテラの提供を通じて、ペプチド受容体放射性核種療法の普及を図っていきます。なお、ルタテラと併用するアミノ酸輸液「ライザケア」の国内製造販売承認も、ルタテラとあわせて取得しています。すでに販売している、神経内分泌腫瘍の診断用放射性医薬品オクトレオスキャン静注用セット(インジウムペンテトレオチド(111In)注射液調製用)に、今後発売予定の治療用放射性医薬品ルタテラを加えることで、神経内分泌腫瘍の診断から治療までのトータルソリューションを展開していきます」