D-Rd療法、自家造血幹細胞移植の適応とならない多発性骨髄腫に対し全生存期間を有意に改善

文:がん+編集部

 自家造血幹細胞移植の適応とならない多発性骨髄腫患者さんを対象に、「レナリドミド+デキサメタゾン」併用療法(Rd療法)に、ダラツムマブ(製品名:ダラザレックス)を追加した併用療法(D-Rd療法)を評価したMAIA試験の結果が欧州血液学会(EHA)で発表。全生存期間の統計学的有意的に有意な改善が認められました。

約5年の追跡調査の結果、D-Rd療法の推定5年生存率は66%

 ヤンセンファーマは6月12日、新たに多発性骨髄腫と診断され自家造血幹細胞移植の適応とならない患者さんを対象にしたMAIA試験の結果を発表しました。

 MAIA試験は、大量化学療法を伴う自家造血幹細胞移植が適応とならない新たに多発性骨髄腫と診断された患者さん737人を対象に、D-Rd療法とRd療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次的評価項目は全奏効率、全生存期間、安全性などでした。

 中間解析の結果、追跡調査期間約5年時点で全生存期間は中央値に未達でしたが、D-Rd療法はRd療法と比べて死亡リスクが32%低下。無増悪生存期間も同様に未達でしたが、D-Rd療法はRd療法と比べて病勢進行または死亡リスクが47%低下し、持続的な改善が認められました。

 D-Rd療法の安全性に関して、新たな安全性シグナルは認められませんでした。D-Rd療法とRd療法で認められた主なグレード3または4の有害事象はそれぞれ、好中球減少症(54%/37%)、肺炎(19%/11%)、貧血(17%/22%)、リンパ球減少症(16%/11%)でした。

 フランスリール大学病院の血液学教授であり試験責任医師でもあるThierry Facon医師は、次のように述べています。

 「多発性骨髄腫の治療は、再発のたびに複雑さを増します。従って、初発治療によって深い奏効と生存率の改善を達成することが極めて重要です。これらの結果は、新たに多発性骨髄腫と診断された移植非適応の患者さんの生存期間を延長し、予後を改善する新しい標準治療として、ダラツムマブ、レナリドミド、デキサメタゾンによる治療を強く支持するものです」

MAIA試験の長期追跡調査の解析による新たな知見は、以下の通りです。

推定の5年全生存率

D-Rd療法66%
Rd療法53%

推定の5年無増悪生存率

D-Rd療法53%
Rd療法29%

次の治療までの期間の中央値

D-Rd療法 未到達
Rd療法42.4か月

最新の全奏効率

D-Rd療法93%
Rd療法82%

※自家相血幹細胞移植は、患者さん自らの幹細胞を末梢血から採取して凍結保存しておき、抗がん剤超大量療法の直後に再び患者体内に移植する治療法