「キイトルーダ+化学療法」、子宮頸がんに対するKEYNOTE-826試験で生存期間の改善を確認

2021/07/26

文:がん+編集部

 「ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法」併用療法が、治療抵抗性・再発または転移性の子宮頸がんに対するKEYNOTE-826試験の結果、目標である全生存期間と無増悪生存期間を達成しました。

「キイトルーダ+化学療法」、PD-L1発現にかかわらず一次治療として有効性を示す

 米メルク社は6月22日、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法を、治療抵抗性・再発または転移性の子宮頸がんの一次治療として評価したKEYNOTE-826試験の結果を発表しました。

 KEYNOTE-826試験は、治療抵抗性・再発または転移性子宮頸がんの未治療の成人患者さん617人を対象に一次治療として、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法と「プラセボ+化学療法」併用療法を比較した第3相試験です。併用された化学療法は、「パクリタキセル+シスプラチン」併用療法、または「パクリタキセル+カルボプラチン」併用療法に、ベバシズマブ(製品名:アバスチン)の併用または非併用でした。主要評価項目は全生存期間と無増悪生存期間、副次的評価項目は奏効率、奏効期間、安全性などでした。

 中間解析の結果、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法は「プラセボ+化学療法」併用療法と比べて、PD-L1の発現にかかわらず全生存期間と無増悪生存期間を統計学的に有意でかつ臨床的に意味のある改善を示しました。安全性に関しては、これまでに報告された安全性プロファイルと一貫していました。

 同社研究開発本部のシニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発部門の責任者、チーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、次のように述べています。

 「子宮頸がんは、予防や検診が進む一方で、今でも特に若年および中年の女性が発症しやすい深刻な医療上の課題となっています。転移性子宮頸がんと診断された女性の予後は特に不良で、新たな治療の選択肢が喫緊に求められています。KEYNOTE-826試験は治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんへの一次治療としてがん免疫療法の良好な結果が初めて認められた試験であり、当社は今後の学会で結果を発表し、規制当局と協議してまいります。この重要な試験に参加してくださった患者さん、介護者や治験責任医師の皆さまに感謝します」