頭頸部がんの一次治療として「オプジーボ+ヤーボイ」を評価したChecMate-651試験の最新情報を発表
2021/08/12
文:がん+編集部
頭頸部扁平上皮がんの一次治療として「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法を評価したCheckMate-651試験の最新情報が発表されました。PD-L1陽性患者さんに対する主要評価項目の1つである全生存期間で、明確かつ肯定的な改善傾向を示しましたが、主要評価項目は達成されませんでした。
「オプジーボ+ヤーボイ」、EXTREMEレジメンに対し全生存期間の統計学的な有意差は示さず
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は7月16日、CheckMate-651試験の最新情報を発表しました。
CheckMate-651試験は、再発または転移性頭頸部扁平上皮がん患者さんを対象に、一次治療として「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法とEXTREMEレジメン(セツキシマブ+シスプラチン/カルボプラチン+フルオロウラシル)を比較した第3相試験です。主要評価項目は、全患者さんに対する全生存期間とPD-L1陽性(CPS※20以上)の患者さんに対する全生存期間でした。副次的評価項目は、解析時点が異なるPD-L1陽性患者さんの全生存期間、全患者さんとPD-L1陽性患者さんの奏効率、奏効期間、無増悪生存期間でした。
解析の結果、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法はEXTREMEレジメンと比較して、PD-L1陽性患者さんに対し全生存期間の改善傾向が示されましたが、統計学的な有意差は認められませんでした。安全性に関しては、これまでに報告された安全性プロファイルと一貫していました。
同社の胸部がん領域、バイスプレジデント兼開発担当であるAbderrahim Oukessou医師は、次のように述べています。
「多くの試験で、オプジーボとヤーボイの併用療法による長期生存ベネフィットがさまざまながん腫で示されており、世界中の患者さんにベネフィットをお届けしています。CheckMate-651試験では、これまでのデータに基づいて予想していた以上の良好な効果が対照群で認められたにもかかわらず、オプジーボとヤーボイの併用療法は、EXTREMEと比較して、PD-L1陽性の頭頸部扁平上皮がん患者さんで全生存期間の肯定的な改善傾向を示しました。これらの結果において統計学的な有意差を示すに至らなかったことは残念ではありますが、今後も研究促進に取り組み、この治療困難ながん患者さんの支援に尽力してまいります」
※CPS(combined positive score): PD-L1陽性細胞数を総腫瘍細胞数で割り、100を掛けた数値。