「ビントラフスプ アルファ+化学療法」、胆道がんの一次治療として評価する治験を中止

文:がん+編集部

 局所進行または転移性の胆道がんの一次治療として、「ビントラフスプ アルファ+ゲムシタビン+シスプラチン」併用療法を評価する「INTR@PID BTC 055 study試験」が中止されました。主要評価項目の達成が困難という理由によるものです。

主要評価項目の全生存期間の達成が困難と判断

 独メルク社は8月25日、「ビントラフスプ アルファ+ゲムシタビン+シスプラチン」併用療法を評価する「INTR@PID BTC 055 study試験」を中止したことを発表しました。

 INTR@PID BTC 055 study試験は、未治療の局所進行または転移性の胆道がん患者さんを対象に、「ビントラフスプ アルファ+ゲムシタビン+シスプラチン」併用療法と「ゲムシタビン+シスプラチン」併用療法を比較する第2相試験です。

 試験中でしたが、主要評価項目の全生存期間の達成が困難と判断され、中止が決定されました。安全性に関しては、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。今回の試験中止は、規制当局ならびに治験責任医師に通知され、ビントラフスプ アルファの治療を受けている患者さんに対し、治験責任医師から次のステップについてアドバイスが行われます。

 ビントラフスプ アルファ は、PD-L1とTGF-βに結合する免疫チェックポイント阻害薬の1つです。免疫チェックポイント阻害薬は、がんに対して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにする薬です。最終的には、免疫の力でがんを攻撃し、治療効果を発揮します。がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞はがん細胞を攻撃しなくなってしまいます。この仕組みを「免疫チェックポイント機構」といい、この仕組みが働かないように開発されたのが、免疫チェックポイント阻害薬です。ビントラフスプ アルファは、PD-L1のほか、TGF-βとも結合し、免疫細胞ががん細胞に浸潤できるようにすることで、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにしています。

 同社は臨床試験に参加した医師や患者さんに対し、次のように述べています。

 「この臨床試験に参加した治験責任医師、患者さんおよびその家族の皆さまに心より御礼申し上げます。本試験のデータおよび解析結果は、今後、医学系学会にて共有する予定です」