HR陽性HER2陰性の転移性乳がんの2次治療として「DS-1062/Dato-DXd」を評価する「TROPIONBreast01試験」を開始
2021/12/23
文:がん+編集部
ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性の転移性乳がん患者さんの2次治療として、抗体薬物複合体「DS-1062/Dato-DXd」を評価する第3相試験が開始されました。
DS-1062/Dato-DXd、がん細胞に直接届けることで全身への薬物影響を抑えた抗体薬物複合体
第一三共は11月19日、「DS-1062/Dato-DXd」を評価する「TROPIONBreast01試験」を開始し、最初の患者さんへ投与したことを発表しました。
TROPIONBreast01試験は、手術不能で化学療法歴のあるHR陽性HER2陰性の転移性乳がん患者さん(700人予定)を対象に、2次治療としてDS-1062/Dato-DXdと化学療法を比較して、有効性と安全性を評価する第3相試験です、主要評価項目は無増悪生存期間、全生存期間、副次的評価項目は奏効率、奏効期間、病勢コントロール率、安全性、薬物動態などです。
DS-1062/Dato-DXdは、がん細胞膜に高発現する「TROP2」と選択的に結合する抗体と、トポイソメラーゼI阻害薬を結合させた抗体薬物複合体です。トポイソメラーゼI阻害薬は、トポイソメラーゼという酵素を阻害することで、がん細胞のアポトーシス※を招き抗腫瘍効果を発揮します。このトポイソメラーゼI阻害薬を、がん細胞と選択的に結合するTROP2と結合させ、がん細胞に直接送り届けることで、全身への薬物の影響を抑えるように作られています。
※あらかじめプログラムされている細胞の死。