ハーセプチンとコンパニオン診断薬、HER2陽性の根治切除不能な進行・再発唾液腺がんの適応で国内同時承認

2022/02/08

文:がん+編集部

 HER2陽性の根治切除不能な進行・再発唾液腺がんの適応で、トラスツズマブ(製品名:ハーセプチン)と適応判定を補助するコンパニオン診断薬が同時に国内承認されました。

「ハーセプチン+ドセタキセル」併用療法、奏効率60%で有効性を示す

 北海道大学病院は2022年1月7日、トラスツズマブと適応判定を補助するコンパニオン診断薬が、HER2陽性の根治切除不能な進行・再発唾液腺がんの適応で国内承認されたことを発表しました。今回の承認は、同病院が主導したHUON-003-01試験の結果に基づくものです。

 HUON-003-01試験は、HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺がん患者さん16人を対象に、「トラスツズマブ+ドセタキセル」併用療法の有効性と安全性を評価した第2相試験です。主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は安全性などでした。

 解析の結果、奏効率60%で有効性が示されました。安全性に関しては、主な有害事象として好中球数減少、白血球数減少、脱毛症、貧血、口内炎、低アルブミン血症などが認められました。

 また、トラスツズマブの唾液腺がん患者さんに対するコンパニオン診断薬としてHER2 IHCおよびISH検査キットも承認。医師主導治験で治療薬とともにコンパニオン診断薬が同時開発・同時薬事承認されたのは国内初です。