デュベリシブ、再発・難治性の慢性リンパ性白血病と小リンパ球性リンパ腫の治療薬として国内申請

2022/04/11

文:がん+編集部

 再発・難治性の慢性リンパ性白血病と小リンパ球性リンパ腫の治療薬として、デュベリシブが国内申請されました。

デュベリシブ、PI3Kデルタ/ガンマの2つの酵素を阻害する経口二重阻害薬

 ヤクルト本社は2022年3月24日、PI3Kデルタ/ガンマ二重阻害薬デュベリシブの製造販売承認申請を厚生労働省に行ったことを発表しました。今回の承認申請は、国内第1相試験と海外第3相DUO試験の結果に基づくものです。

 DUO試験は、再発・難治性の慢性リンパ性白血病と小リンパ球性リンパ腫患者さんを対象に、デュベリシブとオファツムマブ(製品名:アーゼラ)を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次的評価項目は全奏効率、全生存期間、奏効期間、有害事象などでした。

 解析の結果、デュベリシブはオファツムマブと比べて高い奏効率が認められました。主な有害事象は、下痢、好中球減少症、発熱、悪心、貧血、咳などでした。

 デュベリシブは、PI3Kデルタ/ガンマの2つの酵素を阻害することで、悪性B細胞とT細胞の増殖を抑制します。2022年3月16日時点で、米国、欧州を含む32か国で承認されており、現在、末梢性T細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、成人T細胞白血病・リンパ腫を対象とした臨床試験が行われています。

 同社は今回の承認申請に際し、次のように述べています。

 「当社は、新たな治療選択肢となる「デュベリシブ」を日本の患者さんおよび医療従事者に一日も早く提供できるよう、承認取得に向けて取り組んでまいります」