「オプジーボ+ヤーボイ+化学療法」、転移性非小細胞肺がんの一次治療として持続的な生存率を改善
2022/06/27
文:がん+編集部
転移性非小細胞肺がんの一次治療として、2サイクルの化学療法を追加した「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法を評価したCheckMate-9LA試験の結果が発表されました。全生存期間の持続的な改善が認められました。
「オプジーボ+ヤーボイ+化学療法」、化学療法と比べて3年時点での死亡リスクを26%低下
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2022年6月6日、CheckMate-9LA試験の3年間の追跡調査の結果を発表しました。
CheckMate-9LA試験は、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、転移性非小細胞肺がん患者さん719人を対象に行われました。この試験は、一次治療薬として、化学療法(2サイクル)を追加した「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法と化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目はITT集団の全生存期間、副次的評価項目は無増悪生存期間、奏効率などでした。
3年間の追跡調査の結果、「ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法」は化学療法と比べて全生存期間の持続的な改善が認められました。3年生存率は、「オプジーボ+ヤーボイ+化学療法」が27%、化学療法が19%でした。また、3年時点での長期の持続的な有効性は、PD-L1発現レベルが1%未満および扁平上皮がんの組織型を含め、一般的に予後不良な患者さん全体で認められました。
CheckMate-9LA試験の治験担当医師であり、スペイン、マドリード、ドセ・デ・オクトゥブレ大学病院の内科腫瘍部門長であるLuis G. Paz-Ares医学博士は、次のように述べています。
「免疫療法薬は、転移性非小細胞肺がん患者さんのアウトカムを大きく改善してきました。一方で、特にPD-L1発現レベルが低い患者さんなど、残念ながら持続的な長期生存を達成できない患者さんも多くおられます。CheckMate-9LA試験の3年データでは、短いサイクルの化学療法を追加したオプジーボとヤーボイの併用療法による治療後に、現在も続く持続性と早期の病勢コントロールが示されました。重要なのは、アウトカムが比較的不良で治療選択肢も限られる傾向にあるPD-L1発現レベルが1%未満の患者さんなど、アンメットニーズの高い患者さんで長期のベネフィットが示されていることです」