セムブリックス、慢性骨髄性白血病に対し長期の有効性と忍容性を示す

2022/07/06

文:がん+編集部

 慢性期フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)慢性骨髄性白血病を対象に、アシミニブ(製品名:セムブリックス)を評価したASCEMBL試験の長期追跡調査データが発表されました。長期の有効性と一貫した忍容性が認められました。

セムブリックス、ボシュリフと比べ96週時点の分子遺伝学的大奏効率が2倍以上

 ノバルティスは2022年6月7日、ASCEMBL試験の長期追跡調査データを2022年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で報告したことを発表しました。

 ASCEMBL試験 は、未治療の慢性期Ph+慢性骨髄性白血病患者さんを対象に、アシミニブと治験責任医師が選択したチロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ダサチニブ)を比較した第3相試験です。

 主要評価項目は48週目の分子遺伝学的奏効、副次的評価項目は96週目の分子遺伝学的奏効、有害事象により治療中止までの期間などでした。

 解析の結果、96週の時点で分子遺伝学的大奏効を達成した患者さんの割合は、アシミニブ37.6%、ボスチニブ(製品名:ボシュリフ)15.8%で、前回の解析から大幅に増加しました。さらに、アシミニブの投与を受けた患者さんで72週間以上分子遺伝学的大奏効が維持される確率は96.7%で、長期的な有効性の持続が示されました。

 有害事象により治療を中止した患者さんの割合は、アシミニブ7.7%、ボスチニブ26.3%でした。24週時の主要解析以降、治療中の新たな死亡は報告されませんでした。

 Augusta University, Georgia Cancer Center, DirectorであるJorge E. Cortes医学博士は、次のように述べています。

 「既存治療の多くに抵抗性が発現したり、時間が経つにつれ患者さんの生活の質が治療の副作用によって悪影響を受けることのある慢性がんにおいて、長期的にセムブリックスによる治療を受けた患者さんで有効性の維持と向上がみられ、一貫して十分な忍容性が得られたことは勇気づけられる結果です。この96週のデータは、セムブリックスの可能性とそのユニークな作用機序が慢性骨髄性白血病の治療パラダイムの変革に役立つことを示しています」

※BCR-ABL遺伝子が0.1%以下