膠芽腫に対し、「メトホルミン+テモダール」の有効性を評価する第2相試験を開始
2022/07/15
文:がん+編集部
膠芽腫に対する「メトホルミン+テモゾロミド(製品名:テモダール)」併用療法の有効性を評価する第2相試験が開始されました。
「メトホルミン+テモダール」、第1相試験で安全性を確認
国立がん研究センターは6月28日、難治・希少がんの悪性脳腫瘍である膠芽腫に対し、糖尿病治療薬メトホルミンを併用する第2相試験を開始したことを発表しました。
膠芽腫は、手術後に放射線治療とテモゾロミドによる化学療法を行うことが標準治療ですが、5年生存率は15%程度です。希少がんでもあり新たな治療開発が進んでいないことから、有効な治療開発が望まれています。
今回開始された第2相試験は、20~75歳の外来通院が可能な初発膠芽腫患者さんを対象に、「標準治療+メトホルミン」の安全性評価と推奨用量の決定が行われた第1相試験に続くものです。
手術による腫瘍摘出後、メトホルミン500mgを7日間事前内服し、テモゾロミドとの併用でメトホルミン2250mgを内服します。これを事前内服含め2回繰り返し観察が行われ、安全性(用量制限毒性)が評価されます。「メトホルミン+テモゾロミド」併用は6回まで行われ、その後メトホルミンを約6か月間内服します。
主な試験概要は、以下の通りです。
対象疾患:初発膠芽腫
年齢:20~75歳
適格基準:初期治療として放射線+テモゾロミドが施行されている
重篤な前進合併症がなく、通常の生活が可能
予定登録数:15人(第1相試験と合わせて22人)
主要評価項目:用量制限毒性発現割合、プロトコール完遂割合
副次評価項目:有害事象発現割合、プロトコール治療完遂割合、6か月・12か月の無増悪生存割合、全生存期間、奏効割合