Opdualag、切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬としてCHMPが承認を推奨

2022/08/15

文:がん+編集部

 切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として、Opdualagを欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が承認推奨しました。

Opdualag、オプジーボと抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2022年7月22日に、PD-L1発現レベルが1%未満の進行悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児/青年期患者さんの一次治療薬として、Opdualagの承認をCHMPが推奨したことを発表しました。今回の肯定的見解は、RELATIVITY-047試験の結果に基づくものです。

 Opdualagは、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)と抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤です。Relatlimabは、エフェクターT細胞および制御性T細胞に発現する細胞表面分子LAG-3を阻害することで、疲弊したT細胞のエフェクター機能が回復し、抗腫瘍応答を促進する可能性があると考えられています。初期の研究では、LAG-3を他の補完的免疫チェックポイントと併せて標的とすることが、抗腫瘍免疫活性をより効果的に高めるための重要な方策である可能性が示唆されています。

 RELATIVITY-047試験は、未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫患者さん714人を対象に、Opdualagとニボルマブを比較した第2/3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、奏効率です。

 PD-L1発現レベルが1%未満の患者さんを含む全患者さんに対する解析の結果、Opdualagはニボルマブと比較して無増悪生存期間の中央値を2倍以上の延長が認められました。また、安全性に関しても新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 同社のRelatlimab開発責任者であるPaul Basciano氏は、次のように述べています。

 「進行悪性黒色腫の治療の進展において、当社が長年にわたり果たしてきた役割を大変誇りに思います。患者さんに新しい治療薬をお届けするというミッションの一環として、私たちは免疫療法薬2剤による新しい併用療法の開発を続けてきました。今回のCHMPの肯定的な見解は、EUの進行悪性黒色腫患者さんを対象とした最初の抗LAG-3抗体を含む併用療法、そしてBMSの3つ目の免疫チェックポイント阻害薬の承認に向けた最初の一歩となります」