限局性腎細胞がんの術後補助療法として、「オプジーボ+ヤーボイ」を評価したCheckMate-914試験で無病生存期間の改善を示さず

2022/08/19

文:がん+編集部

 「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法を、限局性腎細胞がんの術後補助療法として評価した臨床試験で、主要評価項目の無病生存期間が達成されませんでした。

オプジーボとプラセボを比較するパートBは、現在進行中

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2022年7月29日、根治的腎摘除術または腎部分切除術後の再発リスクが中~高度の限局性腎細胞がん患者さんの術後補助療法として、「ニボルマブ+イピリムマブ」の併用療法を評価したCheckMate-914試験の最新データを発表しました。

 CheckMate-914試験は、「ニボルマブ+イピリムマブ」とプラセボを比較するパートAとニボルマブとプラセボ比較するパートBの2つのパートで構成された第3相試験です。主要評価項目は無病生存期間、主な副次的評価項目は全生存期間、有害事象の発現率です。

 パートAの解析の結果、「ニボルマブ+イピリムマブ」はプラセボと比較して、無病生存期間の改善が認められず、主要評価項目を達成しませんでした。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫していました。本試験のパートBは、進行中です。

 同社の泌尿生殖器がん領域、バイスプレジデント兼開発プログラム責任者であるDana Walker医師は、次のように述べています。

 「転移性腎細胞がんの治療は大きく進展してきましたが、限局性腎細胞がん患者さんの治療選択肢はいまだに限られています。オプジーボおよびオプジーボを含む併用療法は、泌尿生殖器がんを含む複数の早期ステージおよび進行がんにおいて生存ベネフィットを示してきました。CheckMate-914試験のパートAの最終解析では、限局性腎細胞がん患者さんの術後治療において同様のベネフィットが示されず、残念に思いますが、今後も腎細胞がんのすべての患者さんのために研究を続け、がん治療の進展に取り組んでまいります」