ペマジール、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性またはリンパ性腫瘍に対する治療薬として適応拡大申請
2022/08/29
文:がん+編集部
FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性またはリンパ性腫瘍に対する治療薬として、ペミガチニブ(製品名:ペマジール)が適応拡大申請されました。
ペマジール、FGFR1、2、3に対して強力かつ選択的な阻害作用をもつ分子標的薬
インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンは2022年8月8日、FGFR阻害薬ペミガチニブの適応拡大承認申請を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したことを発表しました。FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性またはリンパ性腫瘍に対する治療薬としての申請です。
FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性またはリンパ性腫瘍は、染色体のFGFR1遺伝子が存在する領域が切断され、別の染色体の断片と融合した染色体異常によって引き起こされる血液がんです。予後は不良で、治癒あるいは長期寛解を期待できる治療選択肢は、現在、同種造血幹細胞移植のみとされており、標準治療は確立されていません。
ペミガチニブは、FGFR1、2、3に対して強力かつ選択的な阻害作用をもつ分子標的薬です。がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がんの治療薬として、2021年3月に国内製造販売承認を取得しています。
同社のジェネラルマネージャー、ローター・フィンケ医学博士は、次のように述べています。
「FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性またはリンパ性腫瘍に対するペミガチニブの適応拡大承認申請が厚生労働省に提出され、また希少疾病用医薬品の指定を受けたことを大変喜ばしく思います。今回の申請は、この希少疾患に苦しむ患者さんに新しい治療薬をお届けする上で大きな一歩となります。日本での承認審査を進めるため、PMDAと緊密に連携して参ります」