「イミフィンジ+化学療法」、進行胆道がんに対する治療薬としてFDAが承認
2022/10/03
文:がん+編集部
進行胆道がんに対する治療薬として、「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)」併用療法を米国食品医薬品局(FDA)が承認しました。
イミフィンジ、プラセボと比較して死亡リスクを20%低下
アストラゼネカは2022年9月5日、局所進行または転移性胆道がんの成人患者さんの治療薬として、「デュルバルマブ+化学療法」がFDAから承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、TOPAZ-1試験の結果に基づくものです。
TOPAZ-1試験は、肝内胆管がん、肝外胆管がんおよび胆嚢がん(乳頭部がんを除く)などの切除不能な進行または転移性胆道がん患者さん685人を対象に、一次治療として「デュルバルマブ+化学療法」と「プラセボ+化学療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、主要な副次的評価項目は無増悪生存期間、全奏効率、安全性などでした。
解析の結果、「デュルバルマブ+化学療法」は「プラセボ+化学療法」と比較して、死亡リスクを20%低下し、全生存期間の延長が認められました。また、治療開始から2年後の時点での患者さんの生存率は、「デュルバルマブ+化学療法」25%、「プラセボ+化学療法」10%と推定されました。PD-L1の発現状況や腫瘍の原発部位にかかわらず、事前に規定されたすべてのサブグループで一致していました。
ワシントンDCにある、メドスタージョージタウン大学病院・ジョージタウンロンバルディ総合がんセンターの消化器がんプログラムのリーダーであり、TOPAZ-1試験の治験責任医師でもあるAiwu Ruth He准教授は、次のように述べています。
「進行胆道がんの治療は10年以上もの間大きな進展がありませんでした。今回の承認は、忍容性が良好で、より効果的な新規の治療選択肢を早急に必要としている進行胆道がんの患者さんにとって、大きな一歩となるものです。イミフィンジと化学療法の併用療法は、化学療法単独と比べて生存期間の延長を示しており、予後不良という問題に長年直面してきた進行胆道がんにおいて新たな標準治療となるべきものです」