KRAS G12C変異がある非小細胞肺がんを対象に、ルマケラスを評価したCodeBreaK200試験の結果をESMOで発表

2022/10/11

文:がん+編集部

 KRAS G12C変異がある非小細胞肺がんを対象に、ソトラシブ(製品名:ルマケラス)を評価したCodeBreaK200試験の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で発表。無増悪生存期間の改善と高い奏効率が認められました。

ルマケラス、ドセタキセルと比較して病勢進行または死亡リスクを34%低下

 アムジェンは2022年9月12日、CodeBreaK200試験の詳細な結果をESMO年次総会Presidential Symposium IIIセッションで報告したことを発表しました。

 CodeBreaK200試験は、KRAS G12C変異と前治療歴のある切除不能な局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者さん345人を対象に、ソトラシブとドセタキセルを比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次評価項目は全生存期間、客観的奏効率、患者報告アウトカムなどでした。

 無増悪生存期間の解析の結果、ソトラシブはドセタキセルと比較して病勢進行または死亡リスクを34%低下しました。重要なサブグループ解析でも良好な無増悪生存期間の改善が認められました。1年時点での無増悪生存率は、ソトラシブ25%、ドセタキセル10%でした。また、奏効率の解析では、ソトラシブ28%、ドセタキセル13%で2倍を超える奏効を示しました。

 治療に関連した有害事象の発現率は、グレード3以上の有害事象はソトラシブ33%、ドセタキセル40%、重篤な有害事象はソトラシブ11%、ドセタキセル23%で、ドセタキセルと比較してソトラシブが低い結果でした。いずれかの治療薬で発現率が15%以上であった主な有害事象は、下痢(ソトラシブ34%:ドセタキセル19%)、疲労(ソトラシブ7%:ドセタキセル25%)、脱毛症(ソトラシブ1%:ドセタキセル21%)、悪心(ソトラシブ14%:ドセタキセル20%)および貧血(ソトラシブ3%:ドセタキセル18%)でした。

 Tennessee OncologyのSarah Cannon Research Instituteで肺がん研究の責任者を務め、本データの発表者でもあるMelissa L. Johnson医師は、次のように述べています。

  「本試験は、治療選択肢が限られている、治療歴を有する患者におけるKRAS G12C阻害剤のベネフィットを示す、初めての第3相ランダム化臨床試験です。臨床的に重要なすべてのサブグループにおいて無増悪生存期間のベネフィットが一貫して認められ、ルマケラスの奏効率はドセタキセルの奏効率の2倍以上でした。このデータはKRAS G12変異を有する非小細胞肺がんの患者さんの治療における確実な進歩を示しています」