CAR-T細胞療法薬カービクティ、再発または難治性の多発性骨髄腫に対する効能、効果または性能として国内承認

2022/10/19

文:がん+編集部

 CAR-T細胞療法薬「シルタカブタゲン オートルユーセル(カービクティ)」が、「再発または難治性の多発性骨髄腫」を効能、効果または性能として国内承認されました。

カービクティ単回投与により、持続的な奏効が示され、67%が厳格な完全奏効を達成

 ヤンセンファーマは2022年9月26日、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするシルタカブタゲン オートルユーセルが、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤および抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3つ以上の前治療歴がある「再発または難治性の多発性骨髄腫」を効能、効果または性能として、国内承認されたことを発表しました。今回の承認は、CARTITUDE-1試験の結果に基づくものです。

 CARTITUDE-1試験は、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤による治療歴があり、直近の前治療中もしくは治療後に病勢進行が認められた、再発または難治性の多発性骨髄腫の成人患者さんを対象に、シルタカブタゲン オートルユーセルの安全性と有効性を評価する第1b/2相試験です。第1b相の主要評価項目は有害事象率、第2相の主要評価項目は全奏効率でした。

 試験の結果、シルタカブタゲン オートルユーセルの単回投与により、持続的な奏効が得られました。治験に参加した外国人患者さんの全奏効率は96.9%で、67%は治療後の画像診断やその他の検査で兆候や症状が認められない厳格な完全奏効を達成しました。また、同様の有効性が、日本人患者さんでも認められました。

 安全性に関しては、副作用が99.1%で認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(94.3%)、血球減少(79.2%)、好中球減少症(75.5%)、血小板減少症(59.4%)、貧血(51.9%)、神経系事象(39.6%)、感染症(19.8%)、低ガンマグロブリン血症(11.3%)でした。