「イミフィンジ+トレメリムマブ+化学療法」、転移性非小細胞肺がんに対し持続的な延命効果を示す

2022/10/20

文:がん+編集部

 転移性非小細胞肺がん患者さんを対象に、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)併用療法を評価したPOSEIDON試験の最新解析結果を発表。化学療法と比較して死亡リスクが25%減少しました。

「イミフィンジ+トレメリムマブ+化学療法」、化学療法と比較して死亡リスクを25%減少

 アストラゼネカは2022年9月11日、POSEIDON試験の最新結果を発表しました。

 POSEIDON試験は、ステージ4の転移性非小細胞肺がん患者さん1,013人を対象に、一次治療として、「デュルバルマブ+化学療法」併用療法、または「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法と化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は、「デュルバルマブ+化学療法」と化学療法を比較した無増悪生存期間と全生存期間で、重要な副次的評価項目は、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法の無増悪生存期間と全生存期間でした。

 解析の結果、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法は化学療法と比較して、死亡リスクを25%減少しました。全生存期間の中央値は、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法14か月、化学療法11.7か月でした。また、3年経過時点で生存していた患者さんの推定割合は、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法25%、化学療法13.6%でした。

 「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法の忍容性は良好で、重篤な有害事象は、約4年の追跡期間で新たな安全性シグナルは確認されませんでした。グレードを問わない重篤な有害事象の発現割合は、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」27.6%、化学療法17.7%でした。治療薬と関連すると判断された死亡に至った有害事象の発現割合は、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」3.3%、化学療法2.4%でした。

 第3相POSEIDON試験の治験責任医師で、テネシー州ナッシュビルにあるSarah Cannon Research Instituteの肺がん研究プログラムディレクターであり、Tennessee Oncology, PLLCの腫瘍内科医のMelissa Johnson氏は、次のように述べています。

 「特に化学療法や免疫治療などの標準治療が効きにくいがん患者さんにとって、転移性非小細胞肺がんと診断されることは、非常に深刻です。今回発表された結果は、治療困難なこのような患者さんにとって、イミフィンジと化学療法の併用療法にトレメリムマブを定められた回数のみ追加投与する治療法が新たな選択肢となる可能性を支持するものです」