根治切除後ステージ2B/C悪性黒色腫の術後補助療法として、オプジーボを評価したChecMate-76K試験のデータを発表

2022/11/07

文:がん+編集部

 根治切除後のステージ2B/Cの悪性黒色腫患者さんに対する術後補助療法として、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)を評価したChecMate-76K試験のデータを発表。プラセボと比較して、再発・死亡リスクが58%低下しました。

オプジーボ、プラセボと比較して再発または死亡リスクを58%低下

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2022年10月19日、CheckMate-76K試験の結果を発表しました。

 CheckMate-76K試験は、根治切除後のステージ2B/C の悪性黒色腫患者さん790人を対象に、術後補助療法としてニボルマブ480mgを4週間間隔で最長12か月投与とプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は無再発生存期間、副次評価項目は全生存期間、無遠隔転移生存期間、2 次治療までの無増悪生存期間、安全性などでした。

 あらかじめ計画された中間解析の結果、ニボルマブはプラセボと比較して、再発または死亡リスクを58%低下させ、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。12か月時点での無再発生存率は、ニボルマブ89%、プラセボ79%でした。

 安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。グレード3または4の治療に関連する有害事象の発現率は、ニボルマブ10%、プラセボ2%でした。有害事象による投与中止率は、ニボルマブ15%、プラセボ3%でした。

 オーストラリア・メラノーマ研究所(MIA)の共同メディカルディレクターであり、シドニー大学およびRoyal North Shore and Mater HospitalsのMIAのメラノーマ腫瘍学・トランスレーショナルリサーチ学長であるGeorgina Long教授は、次のように述べています。

 「術後5年以内に、ステージ2Bの患者さんの3分の1、ステージ2Cの患者さんの半数で再発が見られます。悪性黒色腫の治療の場合には、引き続きこのリスクを軽減するよう取り組む必要があります。CheckMate-76K試験のデータは、ステージ2B/Cの悪性黒色腫患者さんに対するニボルマブによる術後補助療法が、無再発生存期間で有意なベネフィットをもたらし、この患者集団にとって重要な治療選択肢となり得ることを示しています」