「イミフィンジ+Imjudo+化学療法」、転移性非小細胞肺がんの治療薬としてFDAが承認
2022/12/06
文:がん+編集部
「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+トレメリムマブ+化学療法」併用療法が、転移性非小細胞肺がんの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)から承認されました。
「イミフィンジ+Imjudo+化学療法」、化学療法と比較して死亡リスクを25%減少
アストラゼネカは2022年11月11日、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法(白金製剤ベース)」併用療法が、ステージ4の成人非小細胞肺がん患者さんを対象に米国で承認されたことを発表しました。今回の承認は、POSEIDON試験の結果に基づくものです。
POSEIDON試験は、ステージ4の転移性非小細胞肺がん患者さん1,013人を対象に、一次治療として「デュルバルマブ+化学療法」併用療法、または「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法と化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は化学療法と比較した「デュルバルマブ+化学療法」併用療法の無増悪生存期間、全生存期間、重要な副次評価項目は「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法の無増悪生存期間、全生存期間でした。
2022年欧州臨床腫瘍学会で発表された約4年間の追跡期間を含む最新結果では、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法は化学療法と比較して死亡リスクが25%減少しました。また、化学療法による3年生存率13.6%に対し、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法の3年生存率は25%でした。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。
POSEIDON試験の治験責任医師で、テネシー州ナッシュビルにあるSarah Cannon Research Instituteの肺がん研究プログラムディレクターであり、Tennessee Oncology, PLLCの腫瘍内科医のMelissa Johnson氏は、次のように述べています。
「転移性非小細胞肺がんにおいては、免疫チェックポイント阻害薬を含む標準治療が十分に奏効しない患者さんが多くいることから、治療上の大きな課題が存在しています。今回承認された免疫治療薬2剤のレジメンと化学療法の併用療法により、深刻な疾患を抱えるこれらの患者さんに対して、忍容性が概ね良好な新たな治療選択肢が追加されるとともに、CTLA-4阻害薬で確認されている長期の生存期間の延長というベネフィットを享受するチャンスを提供することができます」