手術予定の早期非小細胞肺がんを対象とした遺伝子スクリーニング研究「LC-SCRUM-Advantage/MRD」を開始

2022/12/08

文:がん+編集部

 手術予定の早期非小細胞肺がんを対象とした遺伝子スクリーニング研究「LC-SCRUM-Advantage/MRD」が開始されました。

早期非小細胞肺がんにおける遺伝子変化の特徴を明らかにすることが目的

 国立がん研究センターは2022年11月18日、手術予定の早期非小細胞肺がん患者さんを対象にした新たな遺伝子スクリーニング研究「LC-SCRUM-Advantage/MRD」を開始したことを発表しました。

 早期(ステージ1、2、および3の一部)非小細胞肺がんに対する標準治療は手術です。手術前後に従来の点滴の抗がん剤治療を追加した場合でも、ステージ2や3の非小細胞肺がん患者さんの半数以上が再発し、5年生存率は40~50%と満足のいく治療成績が得られていません。そのため、早期非小細胞肺がんの手術前後に遺伝子変化に基づいた治療を追加し、治療成績の改善につなげる研究が行われています。しかし、遺伝子変化がある早期非小細胞肺がんの特徴はまだ明らかではなく、十分な遺伝子解析も行われていません。

 今回、早期非小細胞肺がんにおける遺伝子変化の特徴を明らかにすることを目的に、手術予定の早期非小細胞肺がん患者さんを対象にした新たな遺伝子スクリーニング研究「LC-SCRUM-Advantage/MRD」を計画。手術予定の早期非小細胞肺がん患者さんを対象に遺伝子変化のスクリーニング行い、2022年8月29日より登録を開始し5年間で約1万例の登録を目指します。

 また、肺がんの治療中および治療後に、定期的に血液や尿を採取して遺伝子解析を行い、CTやMRIなどの画像検査より早期に微小残存病変が検出可能か評価し、微小残存病変が肺がん治療後の再発や治療効果予測につながるか検討します。