トリプルネガティブ乳がんを対象に、「ダトポタマブ デルクステカン+イミフィンジ」を評価した第1/2相試験の最新データをSABCSで発表

2023/01/05

文:がん+編集部

 トリプルネガティブ乳がんを対象に、「ダトポタマブ デルクステカン(DS-1062/Dato-DXd)+デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)」併用療法を評価した第1/2相BEGONIA試験の最新データが、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で発表されました。

前治療歴のない転移性・局所再発性の切除不能なトリプルネガティブ乳がん患者さんの客観的奏効率は73.6%

 第一三共株式会社とアストラゼネカは2022年12月12日、「ダトポタマブ デルクステカン+デュルバルマブ」併用療法を評価したBEGONIA試験の最新データをSABCSで報告したことを発表しました。

 BEGONIA試験は、転移性トリプルネガティブ乳がん患者さんを対象に、デュルバルマブと複数の薬剤の併用療法を評価した第1/2相試験です。今回報告されたのは、「ダトポタマブ デルクステカン+デュルバルマブ」併用療法の有効性と安全性の解析データです。

 前治療歴のない転移性または局所再発性の切除不能なトリプルネガティブ乳がん患者さん53人に対する解析の結果、客観的奏効率は73.6%でした。奏効はPD-L1発現の有無に関わらず認められ、持続性も確認されました。

 安全性に関しては、併用療法による新たな懸念は認められませんでした。主な有害事象は、悪心(57.4%)、口内炎(55.7%)、脱毛症(45.9%)等でした。間質性肺疾患については、グレード1が2人(3.3%)に認められました。

 今後、ステージ1~3のトリプルネガティブ乳がん患者さんを対象に、ダトポタマブ デルクステカン単剤療法および「ダトポタマブ デルクステカン+デュルバルマブ」併用療法の安全性と有効性を評価するグローバル第3相TROPION-Breast03試験が予定されており、最初の患者登録は2022年11月に完了しています。

 両社は、次のように述べています。

 「転移性のトリプルネガティブ乳がん患者さんに新たな治療の選択肢を提供できるよう、広範な臨床開発プログラムを通じて本剤の開発を加速してまいります」