イムブルビカ、原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫に対し国内承認

2023/01/26

文:がん+編集部

 イブルチニブ(製品名:イムブルビカ)が、「原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫」を効能または効果として国内承認されました。

海外実施の2つの治験と国内実施の1つの治験の良好な結果に基づき承認

 ヤンセンファーマ株式会社は2022年12月23日、イブルチニブについて、「原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫」を効能または効果として、製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、PCYC-1127(iNNOVATE)試験、PCYC-1118E試験、WAL2002試験の結果に基づくものです。

 PCYC-1127(iNNOVATE)試験は、未治療および再発または難治性の原発性マクログロブリン血症の成人患者さん150人を対象に、「イブルチニブ+リツキシマブ」併用投与時の有効性を評価した第3相試験です。主要評価項目である無増悪生存期間の主要解析時点における中央値は、「イブルチニブ+リツキシマブ」併用群は未到達、「プラセボ+リツキシマブ」併用群は20.3か月であり、「イブルチニブ+リツキシマブ」併用群で有意な延長が認められました。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫していました。

 PCYC-1118E試験は、治療歴のある再発または難治性の原発性マクログロブリン血症の成人患者さん63人を対象に、イブルチニブ単剤の有効性を評価した第2相試験です。試験の結果、主要評価項目である全奏効率は87.3%でした。治療の忍容性は良好で、これらの試験において長期の有効性および安全性についても確認されました。

 WAL2002試験は、未治療及び再発または難治性の原発性マクログロブリン血症の日本人患者さん(20歳以上)を対象に、「イブルチニブ+リツキシマブ」併用投与時の有効性を評価した第2相試験です。主要評価項目である全奏効率は87.5%で、臨床上の有効性が示されました。本試験においても良好な安全性プロファイルが示され、海外で実施されたPCYC-1127(iNNOVATE)試験で確認されたものと大きな差は認められませんでした。

 同社の代表取締役社長である關口修平氏は、次のように述べています。

 「いまだ治癒困難で、治療選択肢の限られた原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫の日本の患者さんに、イムブルビカをご提供できることを嬉しく思います。私たちは、アンメットニーズがあり、複雑で難治性疾患であるB細胞性腫瘍に対し、今後も新たなアプローチを引き続きご提供できるよう、努めて参ります」