「イミフィンジ+イジュド」、切除不能な肝細胞がんの適応で国内承認

2023/02/06

文:がん+編集部

 「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+トレメリムマブ(製品名:イジュド)」併用療法とデュルバルマブ単剤療法が、「切除不能な肝細胞がん」を適応症として国内承認されました。

STRIDEレジメン、ネクサバールと比較して死亡リスクを22%低下

 アストラゼネカ株式会社は2022年12月28日、「デュルバルマブ+トレメリムマブ」併用療法とデュルバルマブ単剤療法が、「切除不能な肝細胞がん」の適応で厚生労働省から承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、HIMALAYA試験の結果に基づくものです。

 HIMALAYA試験は、切除不能な進行肝細胞がん患者さんのうち、全身療法による治療歴がなく、局所療法(肝臓とその周辺組織の局所療法)が適さない患者さん1,324人を対象に、デュルバルマブ単剤療法およびデュルバルマブ1,500mgに加えて、免疫誘導(プライミング)を目的にトレメリムマブ300mgを初回単回追加投与し、その後4週間ごとにデュルバルマブを投与するレジメン(STRIDEレジメン)と、標準治療薬のソラフェニブ(製品名:ネクサバール)を比較した第3相試験です。主要評価項目はSTRIDEレジメンとソラフェニブを比較した全生存期間、重要な副次的評価項目はデュルバルマブ単剤とソラフェニブを比較した全生存期間、STRIDEレジメンとデュルバルマブの客観的奏効率、無増悪生存期間などでした。

 解析の結果、STRIDEレジメンはソラフェニブと比較して死亡リスクを22%低下。全生存期間の中央値は、それぞれ16.4か月と13.8か月でした。

 安全性に関しては、STRIDEレジメンおよびイミフィンジ単剤療法の安全性プロファイルは、それぞれの医薬品の既知のプロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

 グレード3または4の治療関連有害事象は、STRIDEレジメン25.8%、イミフィンジ単剤療法12.9%、ソラフェニブ36.9%でした。

 グレード3または4の治療関連の肝臓における有害事象の発現率は、STRIDEレジメン5.9%、イミフィンジ単剤療法5.2%、ソラフェニブ4.5%でした。治療関連の有害事象により治療中止に至ったのは、STRIDEレジメン8.2%、イミフィンジ単剤療法4.1%、ソラフェニブ群11%でした。