非小細胞肺がんの一次治療として「ダトポタマブ デルクステカン+キイトルーダ」を評価するTROPION-Lung07試験が開始

2023/02/17

文:がん+編集部

 Actionable遺伝子変異のない非扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療として「ダトポタマブ デルクステカン+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)」併用療法を評価するTROPION-Lung07試験において、最初の患者さんへの投与が開始されました。

ダトポタマブ デルクステカン、TROP2にトポイソメラーゼⅠ阻害薬を結合させた抗体薬物複合体

 第一三共株式会社は2023年1月31日、Actionable遺伝子変異のない非扁平上皮非小細胞肺がんを対象としたTROPION-Lung07試験で、最初の患者さんへの投与を開始したことを発表しました。

 TROPION-Lung07試験は、Actionable遺伝子変異がなく、PD-L1発現率が50%未満の再発・進行性の非扁平上皮非小細胞肺がん患者さんを対象に、「ダトポタマブ デルクステカン+ペムブロリズマブ」併用療法と、「ダトポタマブ デルクステカン+ペムブロリズマブ+プラチナ製剤」併用療法の、有効性と安全性を評価する第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、全生存期間、副次評価項目は客観的奏効率、奏効期間、安全性などです。

 Actionable遺伝子変異とは、現時点においてEGFR遺伝子変異などの治療ターゲットとなりうる遺伝子変異のことで、TROPION-Lung07試験ではこうした治療ターゲットとなる遺伝子変異がない患者さんが対象です。

 ダトポタマブ デルクステカンは、がん細胞の細胞膜上に高発現する抗原TROP2と特異的に結合する抗体にトポイソメラーゼⅠ阻害薬を結合させた抗体薬物複合体で、1つの抗体につき約4個のトポイソメラーゼⅠ阻害薬が結合しています。薬物をがん細胞内に直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えるよう設計されています。

 同社は、次のように述べています。

 「Actionable遺伝子変異のない非小細胞肺がん治療に新たな選択肢を提供できるよう、本剤の開発を加速させてまいります」