早期EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの術後補助療法としてタグリッソを評価したADAURA試験の結果を発表

2023/03/30

文:がん+編集部

 早期EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの術後補助療法として、オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)を評価したADAURA試験の結果を発表。プラセボと比較した全生存期間の改善が認められました。

タグリッソ、術後補助療法としてプラセボに比べ全生存期間を改善

 アストラゼネカは2023年3月9日、早期EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの術後補助療法として、オシメルチニブを評価したADAURA試験の結果を発表しました。

 ADAURA試験は、腫瘍の完全切除術後のEGFR遺伝子変異陽性のステージ1B~3Aの非小細胞肺がん患者さん682人を対象に、術後補助療法としてオシメルチニブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目はステージ2~3Aの患者さんに対する無病生存期間、重要な副次的評価項目は、ステージ1B~3Aの患者さんに対する無病生存期間、ステージ2~3Aと、ステージ1B~3A期の患者さんに対する全生存期間でした。

 解析の結果、オシメルチニブはプラセボと比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間の改善が認められました。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫していました。

 ADAURA試験の治験責任医師であり、Yale Cancer Center / Smilow Cancer Hospitalの副院長および腫瘍内科長であるRoy S. Herbst医学博士は、次のように述べています。

 「今回新たに示されたADAURA試験における全生存期間のデータは、タグリッソによる無病生存期間の延長を裏付けるとともに、タグリッソによる早期EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者さんにおける生存期間の延長が確認されたことを示しています。ADAURA試験で得られた結果は、再発率が高く、術後の治療選択肢が限られていた早期EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者さんにとって、タグリッソが重要な治療となり得ることを示す強力なエビデンスとなります」