ホルモン感受性前立腺がんを対象に、「ニュベクオ+ADT」を評価するARASTEP試験を開始
2023/04/24
文:がん+編集部
転移を認めずPSMA PET/CT陽性で生化学的再発リスクが高いホルモン感受性前立腺がん患者さんを対象に、「ダロルタミド(製品名:ニュベクオ)+アンドロゲン除去療法(ADT)」を評価するARASTEP試験が開始されました。
早期から転移期の前立腺がんを対象とした、ニュベクオの5番目となる主要臨床試験
バイエル社は2023年3月23日、前立腺がんを対象とする経口アンドロゲン受容体阻害薬ダロルタミドのグローバル臨床開発プログラムをさらに拡大し、第3相ARASTEP試験を開始したことを発表しました。
ARASTEP試験は、ベースライン時に従来の画像診断で転移のエビデンスがなく、PSMA PET/CT陽性であった生化学的再発のリスクが高いホルモン感受性前立腺がん患者さんを対象に、「ダロルタミド+ADT」と「プラセボ+ADT」を比較する第3相試験です。主要評価項目は、独立中央審査の評価による、PSMA PET/CTで測定された放射線学的無増悪生存期間です。
同社のシニア・バイス・プレジデント、オンコロジー開発責任者であるTara Frenkl医師は、次のように述べています。
「手術または放射線療法後にPSA値が上昇している多くの患者さんでは、転移が発生するリスクが高くなります。私たちはARASTEP試験により、より早期の患者さんを支援できる可能性に期待しています。ダロルタミドは既に、第3相ARAMIS試験で転移発生のリスクが高い非転移性去勢抵抗性前立腺がんに対して、第3相ARASENS試験で遠隔転移を有するホルモン感受性前立腺がんに対して有効性と安全性を示しています。私たちの目標は、可能な限り多くの患者さんがこの治療法からベネフィットを得られるようにすることです。より早期の病期においてダロルタミドの可能性を引き続き評価していきます」