EPKINLY、再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療薬としてFDAが承認

2023/06/20

文:がん+編集部

 エプコリタマブ(製品名:EPKINLY)が、再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の成人患者さんに対する治療薬として米国食品医薬品局(FDA)より承認されました。

EPCORE NHL-1試験で全奏効率61%、完全奏効率38%を示す

 ジェンマブは2023年5月19日、2回以上の全身療法後に再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、非特定型(低悪性度リンパ腫に起因するものを含む)および高悪性度B細胞リンパ腫の成人患者さんに対する治療薬としてエプコリタマブをFDAが承認したことを発表しました。

 エプコリタマブを評価したEPCORE NHL-1試験の拡大コホートでは、大細胞型B細胞リンパ腫の患者さん157人が登録されました。試験の結果、エプコリタマブの投与により、2回以上の全身療法を受けた治療困難な再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者さんに対し奏効を示しました。全奏効率は61%で、38%の患者さんで完全寛解を達成。奏効期間(中央値)は15.6か月でした。重篤な副作用は、サイトカイン放出症候群、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群、感染症、血球減少症などでした。

 エプコリタマブは、T細胞上のCD3とB細胞上のCD20に同時に結合するよう設計されており、T細胞によるCD20陽性細胞傷害を誘導する二重特異性抗体治療薬です。

 City of Hope、リンパ腫部門、血液学・造血細胞移植科の准教授であるTycel Phillips医師は、次のように述べています。

 「再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者さんに対して、現在利用可能な治療選択肢は限られています。一般的に、これらの患者さんの予後は悪く、この病勢進行の早い疾患の管理は困難な場合もあります。エプコリタマブは、皮下投与の二重特異性抗体で、こうした患者さんに対する新たな治療選択肢の提供につながります。本承認により、2回以上の全身療法で効果が得られなかった、あるいは再発した後に追加治療を必要とする患者さんに、エプコリタマブによる治療機会を提供することが可能になります」