ベスポンサ、「小児の再発または難治性CD22陽性急性リンパ性白血病」の効能・効果で国内申請

2023/08/24

文:がん+編集部

 小児の再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病を効能・効果として、イノツズマブ オゾガマイシン(製品名:ベスポンサ)の国内申請が行われました。

2つの治験で、高い完全寛解率と微小残存病変陰性率、管理可能な安全性プロファイルを示す

 ファイザー株式会社は2023年7月27日、イノツズマブ オゾガマイシンについて「小児の再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病」を効能・効果とし、厚生労働省に対し製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことを発表しました。今回の申請は、INO-Ped-ALL-1試験とITCC-059試験の結果に基づくものです。

 国内第1相のINO-Ped-ALL-1試験と海外第1/2相のITCC-059試験は、小児の再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病患者さんを対象とした医師主導試験です。2つの試験の結果、高い完全寛解率と微小残存病変陰性率が認められ、寛解持続期間、造血幹細胞移植、CAR-T細胞療法への移行率、無イベント生存率、全生存期間、非寛解または再発の累積発生率も良好な結果が得られました。安全性に関しては、成人の再発または難治性急性リンパ性白血病患者さんと同様に、管理可能な安全性プロファイルが認められました。

 イノツズマブ オゾガマイシンは、抗CD22モノクローナル抗体「イノツズマブ」と細胞傷害性抗腫瘍性抗生物質カリケアマイシン誘導体「オゾガマイシン」を結合させた抗体薬物複合体です。CD22陽性細胞への高い選択性により、殺腫瘍細胞効果と毒性の低減が期待されています。

 ファイザーR&D合同会社の石橋 太郎社長は、次のように述べています。

 「臨床試験に参加いただいた小児患者さんとそのご家族、医療機関の皆様に感謝申し上げます。小児の再発または難治性の急性リンパ性白血病(ALL)は、近年新たな治療法が利用できるようになりましたが、依然としてアンメットメディカルニーズがあります。新たな治療選択肢をお届けできるよう、承認取得に向けて関係者と引き続き協業してまいります」