ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法としてアレセンサを評価したALINA試験の結果発表

2023/10/02

文:がん+編集部

 ALK陽性非小細胞肺がんを対象に、術後補助療法としてアレクチニブ(製品名:アレセンサ)を評価したALINA試験の結果を発表。無病生存期間において、統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。

アレセンサによる術後補助療法、無病生存期間を統計学的有意に改善

 中外製薬は2023年9月1日、ALK陽性非小細胞肺がんを対象に、術後補助療法としてアレクチニブを評価したALINA試験の結果を発表しました。

 ALINA試験は、ステージ1B~3AのALK陽性非小細胞肺がんを完全切除した患者さん257人を対象に、術後補助療法としてアレクチニブとプラチナ製剤ベースの化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無病生存期間、副次評価項目は全生存期間、有害事象の発現状況などでした。

 事前に規定された中間解析の結果、アレクチニブの術後補助療法は化学療法と比較して無病生存期間の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。解析時点での全生存期間は未達で、安全性に関しては、予期せぬ安全性シグナルは認められませんでした。

 同社の代表取締役社長CEOの奥田修氏は、次のように述べています。

 「ALK陽性進行非小細胞肺がんの一次治療薬として広く使われているアレセンサが、早期非小細胞肺がん患者さんにおいて再発または死亡リスクの低下を示したことを大変嬉しく思います。早期非小細胞肺がんにおいて治癒の可能性をより多くの患者さんにもたらすために、再発を防ぐことが重要です。しかしながら、現在、非小細胞肺がんの術後補助療法として承認されたALK阻害剤はありません。本剤を必要とされる患者さんにいち早くお役立ていただけるよう、本データの日本および世界各国の当局への提出に向けてロシュと協働してまいります」