モメロチニブ、骨髄線維症に対する効能または効果で国内申請
2023/10/16
文:がん+編集部
骨髄線維症の治療薬として、モメロチニブの国内承認申請が行われました。
JAK1/2・ACVR1の3つのシグナル伝達経路を阻害する、新規の作用機序をもつ薬剤
グラクソ・スミスクライン株式会社は2023年9月11日、骨髄線維症の治療薬として、モメロチニブの国内における製造販売承認申請が行われたことを発表しました。今回の申請は、SIMPLIFY-1試験とMOMENTUM試験の結果に基づくものです。
モメロチニブは、ヤヌスキナーゼ1および2(JAK1/2)、アクチビンA受容体1型(ACVR1)を標的とすることにより、関連する3つのシグナル伝達経路を阻害する薬剤です。JAK1/2阻害により全身症状や脾腫を改善し、さらに、ACVR1阻害によって、骨髄線維症で増加し貧血の要因となるヘプシジンを減少させると考えられています。
SIMPLIFY-1試験は、JAK阻害薬による治療歴のない骨髄線維症患者さんを対象に、モメロチニブとルキソリチニブを比較した第3相試験です。主要評価項目である脾臓縮小割合(35%以上の縮小)において、モメロチニブはルキソリチニブに対する非劣性が示されました。また、輸血非依存割合についてもモメロチニブによる改善が確認されました。
MOMENTUM試験は、既承認のJAK阻害薬による治療歴があり、症状および貧血を有する骨髄線維症患者さんを対象に、モメロチニブとダナゾールを比較した第3相試験です。この試験では、全身症状の改善、脾臓の縮小、輸血非依存割合に関して、主要評価項目および主要な副次評価項目のすべてが達成されました。