治療歴のない進行性または転移性尿路上皮がんを対象にパドセブを評価したEV-302試験の結果を発表
2023/10/26
文:がん+編集部
治療歴のない進行性または転移性尿路上皮がんを対象に、エンホルツマブ ベドチン(製品名:パドセブ)とペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)との併用療法を評価したEV-302試験の結果を発表。全生存期間と無増悪生存期間の2つの主要評価項目を達成しました。
全生存期間と無増悪生存期間の2つの主要評価項目を達成
アステラス製薬株式会社は2023年9月22日、EV-302試験の良好な結果を発表しました。
EV-302試験は、治療歴のない局所進行性または転移性尿路上皮がん患者さんを対象に、「エンホルツマブ べドチン+ペムブロリズマブ」併用療法と化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間と無増悪生存期間でした。
中間解析の結果、「エンホルツマブ べドチン+ペムブロリズマブ」併用療法は化学療法と比較して、全生存期間と無増悪生存期間を改善し2つの主要評価項目を達成しました。安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫していました。
エンホルツマブ ベドチンは、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質「ネクチン-4」を標的とする抗体薬物複合体です。がん細胞上でエンホルツマブ ベドチンがネクチン-4に結合して標的細胞内に取り込まれると細胞障害性物質である「モノメチルアウリスタチンE(MMAE)」が放出され、細胞増殖抑制および細胞死が生じると考えられています。
同社は、次のように述べています。
「患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、アンメットメディカルニーズの高い局所進行性または転移性尿路上皮がんの治療に一層の貢献をしていきます」