EGFR陽性非小細胞肺がんを対象に「RYBREVANT+ラゼルチニブ」を評価したMARIPOSA試験の結果を発表

2023/11/13

文:がん+編集部

 EGFR遺伝子変異陽性の局所進行性または転移性の非小細胞肺がんを対象に、一次治療として「アミバンタマブ(製品名:RYBREVANT)+ラゼルチニブ」併用療法を評価したMARIPOSA試験の結果を発表。無増悪生存期間の改善が認められました。

「RYBREVANT+ラゼルチニブ」、タグリッソと比較して統計学的有意に無増悪生存期間を改善

 ヤンセンファーマは2023年9月28日、MARIPOSA試験の最新結果を発表しました。

 MARIPOSA試験は、EGFRエクソン19欠失変異またはエクソン21置換変異がある局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者さん1,074人を対象に、一次治療として「アミバンタマブ+ラゼルチニブ」併用療法とオシメルチニブ(製品名:タグリッソ)とラゼルチニブそれぞれの単剤療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、全奏効率、奏効期間、頭蓋内病変の無増悪生存期間、最初の治療開始から後続治療後の病勢進行または死亡までの期間、病勢進行までの期間などでした。

 解析の結果、「アミバンタマブ+ラゼルチニブ」併用療法はオシメルチニブと比較して、と統計学的に有意な無増悪生存期間の改善が認められました。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一貫していました。

 Virginia Cancer Specialists Research Instituteのディレクターを務める治験責任医師のAlexander Spira医学博士は、次のように述べています。

 「EGFR変異を有する未治療の非小細胞肺がん患者さんは、これまでEGFR TKIによる治療を受けてきました。しかし、こうした薬剤を単剤で使用し続けても、耐性を示し、病勢進行へとつながる可能性があります。MARIPOSA試験で得られたこれらの有望なデータは、RYBREVANTとラゼルチニブとの併用レジメンが、TKI単剤療法によるこれまでの治療を、さらに前進させる可能性を強調するものです」