オプジーボ、ステージ2B/Cの悪性黒色腫に対する根治切除後の術後補助療法としてFDAが承認

2023/11/16

文:がん+編集部

 ステージ2B/Cの根治切除後の悪性黒色腫に対する術後補助療法として、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)が米国食品医薬品局(FDA)から承認されました。

再発・新たな原発悪性黒色腫の発症・死亡のリスクをプラセボより58%低減

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2023年10月13日、FDAが、根治切除後のステージ2B/Cの悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児患者さんの術後補助療法として、ニボルマブを承認したことを発表しました。今回の承認は、CheckMate-76K試験に基づくものです。

 CheckMate-76K試験は、根治切除後のステージ2B/Cの悪性黒色腫患者さん790人を対象に、術後補助療法としてニボルマブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は治験担当医師の評価による無再発生存期間、副次評価項目は全生存期間、無遠隔転移生存期間、次治療での無増悪生存期間、安全性などでした。

 試験の結果、ニボルマブはプラセボと比較して、再発、新たな原発悪性黒色腫の発症、または死亡のリスクを58%低減しました。1年時点の無再発生存率は、ニボルマブ89%、プラセボ79%でした。また、ステージ2Bとステージ2Cの患者さんそれぞれの無再発生存率の解析では、それぞれ再発または死亡リスクを66%と49%低減しました。ステージ別の1年無再発生存率は、ステージ2Bではニボルマブ93%、プラセボ84%、ステージ2Cではニボルマブ84%、プラセボ72%でした。

 ピッツバーグ大学医学部内科特別教授であり、UPMCヒルマンがんセンター悪性黒色腫センター共同所長であるJohn M. Kirkwood医師は、次のように述べています。

 「悪性黒色腫の外科的切除後、患者さんは病気が治ったと思われるかもしれません。しかし、外科的切除を受けたステージ2Bの悪性黒色腫患者さんの3分の1、ステージ2Cの患者さんの半数近くが診断から5年以内に再発するため、がんの再発リスクを低減するのに役立つ新たな治療選択肢が必要とされています。CheckMate-76K試験で示されたオプジーボによる無再発生存期間の有意な改善は、これらの患者さんにとって重要な進展であると言えます」