切除可能非小細胞肺がん対象、「オプジーボ+化学療法」の周術期療法を評価した臨床試験の追跡調査結果を発表

2023/11/24

文:がん+編集部

 切除可能な非小細胞肺がんを対象に、術前の「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+化学療法」とそれに続く術後のニボルマブ単独療法を評価したCheckMate-77T試験の結果を発表。無イベント生存期間で有意な改善が認められました。

「オプジーボ+化学療法」、「プラセボ+化学療法」と比較して再発、病勢進行または死亡リスクを42%低減

 ブリスト ルマイヤーズ スクイブ社は2023年10月17日、CheckMate-77T試験の追跡調査25.4か月(中央値)の結果を発表しました。

 CheckMate-77T試験は、切除可能なステージ2A~3Bの非小細胞肺がん患者さん452人を対象に、「ニボルマブ+化学療法」併用療法による術前補助療法と、それに続く手術とニボルマブ術後補助療法を、「プラセボ+化学療法」と、それに続く手術とプラセボによる術後補助療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無イベント生存期間、副次評価項目は全生存期間、病理学的完全奏効、Major Pathological Responseなどでした。

 追跡調査の結果、「ニボルマブ+化学療法」併用療法による術前補助療法と、それに続く手術とニボルマブによる術後補助療法を受けた患者さんで、再発、病勢進行または死亡リスクが42%低減しました。また、副次評価項目である病理学的完全奏効は「ニボルマブ+化学療法」併用療法25.3%、「プラセボ+化学療法」4.7%で、Major Pathological Responseについては、「ニボルマブ+化学療法」併用療法35.4%、「プラセボ+化学療法」12.1%となり改善が認められました。根治手術率は、「ニボルマブ+化学療法」78%、「プラセボ+化学療法」77%、根治切除の達成率は、「ニボルマブ+化学療法」89%、「プラセボ+化学療法」90%でした。

 安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、胸部/頭頸部腫瘍内科准教授のTina Cascone医学博士は、次のように述べています。

 「この数年で、非転移性非小細胞肺がん患者さんの治療は目覚ましい進展を遂げています。現在、私たちは、より多くの切除可能ながん患者さんに臨床ベネフィットを提供することを目標に、これらの進展をさらに拡張するための治療戦略を評価しています。オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法と、それに続く手術とニボルマブによる術後補助療法を評価したCheckMate-77T試験の結果、および手術後にオプジーボによる術後補助療法をどの様に継続することで、さらにアウトカムが改善され、患者さんにより持続的なベネフィットを提供できる可能性に大変勇気づけられています。CheckMate-77T試験の結果は、医師にとっても、患者さんとご家族にとっても希望となるものです。この進行中の試験から今後どのようなデータが得られるか、特に副次評価項目である全生存期間に期待しています」