KRAS G12C変異陽性の転移性大腸がんを対象に「ルマケラス+ベクティビックス」を評価した臨床試験の結果を発表

2023/12/06

文:がん+編集部

 KRAS G12C遺伝子変異がある転移性大腸がんを対象に、「ソトラシブ(製品名:ルマケラス)+パニツムマブ(製品名:ベクティビックス)」併用療法を評価したCodeBreaK300試験の結果を発表。無増悪生存期間の改善が認められました。

「ルマケラス(960mg・240mg)+ベクティビックス」、標準治療と比較して病勢進行または死亡リスクをそれぞれ51%・42%減少

 アムジェン社は2023年10月22日、CodeBreaK300試験の新たなデータを発表しました。

 CodeBreaK300試験は、KRAS G12C遺伝子変異がある化学療法抵抗性の転移性結腸・直腸がん患者さん160人を対象に、「ソトラシブ(960mg・240mg)+パニツムマブ」併用療法と、治験担当医師が選択した標準治療(トリフルリジンとチピラシルまたはレゴラフェニブ)を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次評価項目は全生存期間、客観的奏効率でした。

 解析の結果、「ソトラシブ960mg+パニツムマブ」併用療法と「ソトラシブ240mg+パニツムマブ」併用療法は、標準治療と比較して、無増悪生存期間の統計学的に有意な改善を認め、病勢進行または死亡リスクをそれぞれ51%・42%低減させました。無増悪生存期間の中央値は、併用療法960mg:5.6か月、併用療法240mg:3.9か月、標準治療:2.2か月でした。

 また、客観的奏効率は、「ソトラシブ960mg+パニツムマブ」併用療法は26%、「ソトラシブ240mg+パニツムマブ」併用療法は6%、標準治療は0%でした。

 Fondazione IRCCS Istituto Nazionale dei TumoriのFilippo Pietrantonio医師は、次のように述べています。

 「これらの新たなデータにおいて、ルマケラスとベクティビックスの併用投与は両用量ともにサブグループ間で一貫した有効性を示し、これら2つの分子標的治療薬を併用する生物学的根拠を裏付けています。転移性大腸がんと診断された患者さんのうち5年を超えて生存する方は20%未満であり、エビデンスに基づく分子標的治療の選択肢をまだ利用することができないKRAS変異を有する患者さんは、新しい治療選択肢を切実に必要とされています」