進行または再発子宮体がんを対象に、「イミフィンジ+リムパーザ+化学療法」を評価したDUO-E試験の結果を発表
2023/12/11
文:がん+編集部
進行または再発子宮体がんを対象に、「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+オラパリブ(製品名:リムパーザ)+化学療法」併用療法を評価したDUO-E試験の結果を発表。無増悪生存期間の改善が認められました。
「イミフィンジ+リムパーザ+化学療法」、化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを45%低減
アストラゼネカは2023年10月21日、DUO-E試験の結果を発表しました。
DUO-E試験は、新たに診断された進行上皮性子宮体がんまたは再発子宮体がんの患者さん699人を対象に、初回治療として「デュルバルマブ+化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)」併用療法後に、デュルバルマブまたは「デュルバルマブ+オラパリブ」併用による維持療法と、化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、重要な副次的評価項目は全生存期間、安全性、忍容性などでした。
解析の結果、「デュルバルマブ+化学療法+オラパリブ」併用療法は、化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを45%低減し、統計学的に有意な無増悪生存期間の延長が認められました。それぞれの無増悪生存期間の中央値は、併用療法が15.1か月、化学療法が9.6か月でした。
安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルとおおむね一貫していました。
全試験期間中に「デュルバルマブ+オラパリブ+化学療法」併用療法で主に確認された有害事象は、貧血(62%)、悪心(55%)、疲労および無力症(54%)、脱毛(51%)、好中球減少症(42%)、便秘(33%)、血小板減少症(30%)、下痢(28%)、嘔吐(26%)、末梢神経障害(25%)、末梢感覚神経障害(25%)、関節痛(24%)、食欲減退(23%)、白血球減少症(20%)、尿路感染症(20%)でした。
また、全試験期間中に「デュルバルマブ+化学療法」併用療法で主に確認された有害事象は、脱毛(50%)、貧血(48%)、疲労および無力症(43%)、嘔気(41%)、好中球減少症(36%)、下痢(31%)、関節痛(30%)、血小板減少症(28%)、便秘(27%)、末梢神経障害(26%)、末梢感覚神経障害(26%)、嘔吐(21%)でした。
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの婦人科腫瘍学および生殖医学科教授であり、DUO-E試験の国際治験調整医師でもあるShannon N. Westin氏は、次のように述べています。
「今回の結果は、免疫療法とPARP阻害剤の併用が子宮体がん患者さんに有意な臨床的改善をもたらす可能性を初めて示すものです。今回のDUO-E試験のデータは、子宮体がん患者さんの転帰を改善するための新たな選択肢を、がん専門医に提供する可能性があります」